カカサス4

□イリュージョン完全版
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ほんとに、ささいなトリックだったんだけど。
マジックを見せてやるたび、あの子は見破るのが惜しいように楽しんでいた。
子供らしい遊びを、あんまりして貰った事がないのかな。
ほかの子並みに、ゲームでも与えてあげようかな…





そんな事を思い始めた朝また玄関先でマジックを見せてあげていると、パンッとふすまが開いて、フガクさんが現われた。
サスケ。
イタチの邪魔をするなといってあるだろう。
フガクさんの声は、それほど厳しくもなかったが、あの子は真っ青になって立ち上がった。
ご…
ごめんなさい、お父さん…
あの子が手を胸にぎゅっと組んで、ぶるぶる震えていた…
長いまつ毛だなと思った。
オレも親父は怖かったけど、ここまで怖がりはしなかったな…





いいんだよサスケ!
サスケにマジック見て貰えてオレ嬉しいよ!
あの子が一瞬安堵した表情を見せた。
そうなの、お父さん。
カカシさんはマジック好きのおじさんなの。
あの子が精一杯勇気を持って訴えたら、フガクさんがオレを小馬鹿にした目でチラリと見て奥に引っ込んだ。
あの子が思うほど、怖い父親じゃないんだ…





サスケはお父さんも尊敬しているんだね?
そうなの。
お父さんはうちはで一番偉いの…
ちょっとした打ち明け話をして、ほっとため息をつくと、あの子はまた笑ってくれた。
またマジック見てあげるね。
カカシさん。




FIN.
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