ナルサス3

□時をかけるナルトD
2ページ/2ページ




朝まどろんでいると、気付けばナルトが子供のようにぴったり寄り添って眠っていた。
24時間のうち23時間は忘れているけれど、思えばこいつは孤児なんだな…。
金髪を撫でてやった。
指が離れたらやつがぎゅっとオレの手首を掴んだ。





「やめないで、サスケ」
「起きてたのか…」
「もっとダイレクトに慰めて、サスケ(笑)」
「あっ、こら」





やつがくるんとオレに跨がって甘えた。
「上司のサスケって設定が、一番感じるんだよ」
「てめー、中忍フェチか」
またもベッドでくすぐられてオレは笑った。








戦況の報告があるたび、時にサスケの中傷も聞かされた。
そんな時ナルトの長い指が忍装束のジッパーを下げ、密かにサスケの写真を眺めた。
その時だけは心が安らいだ。





ふとサスケの声を思い出す。
「オレ、あのナルトにいってやるの忘れたんだよ。おまえが喜ぶ顔が見たくて、オレは頑張ったんだって。いちばん大事な事だったのに…」
知っている。
ほんとはオレだって、サクラちゃんだって知っているんだ。
サスケが愛情深い男だって。
カカシ先生だってみんなだって知っている。
サスケが心から里のために働く日はきっとやってくる。
いや、それはもう運命のように決まっているんだ。
中忍のサスケの写真を見て、そう確信している。





勇気を持たなければと思った。
忍装束の胸に写真をしまって男の指がそっと撫でた。




FIN.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ