カカサス4

□銀行で
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そう。情事のあとでゲンマに見せられた映像を見てサスケは真っ青になった。
ビデオの中では、しどけなく感じている(ような)自分が映っている。
「いい画が撮れているだろう…」
ビデオを見て興奮したゲンマがサスケの肩を抱いてくる。
たった今思いを遂げたばかりなのに、浅ましい男はまたも欲情していた。
荒い息でサスケの耳元でささやいた。
「おまえ、感じているじゃないか…」
「なっ…!」
否定したいのだが確かに客観的にそのように見えるのだ。
「この映像を流されたくなかったら言う通りにしろ…」
サスケはソファの上に倒され、服をはだけられてもう一度獣のような男に犯されるのだった。その時はビデオを見た興奮からサスケは本当に感じ美しい頬を真っ赤に染めたがそれはサスケのせいじゃないんだよ。





サスケの服を整えさせて応接室から出すとゲンマはATMに付き添うふりをしてサスケにささやいた。
「いいか、また来週もここへ来い。映像を流されたくなかったらな」
サスケは執拗なこの男に恐怖を感じていたがどうかサスケ安心して。
「それまでだよ」
いきなりATM付近でオレの声が聞こえてゲンマは動揺した。
「カカシ!!いや、火影様。どこにおられるのですか?」
するとATMの引き出し口がパカッと開いて、オレの頭がひょっこり現われた。そしてうんしょ、うんしょと両肩を引き出すとずるりと足も引っ張り出してATMから下りるとビシッとゲンマを睨んだ。
「ゲンマ。おまえという男はなんと卑劣な…客を食い物にする男に銀行員の資格はないよ」
ゲンマは恥じ入ってがっくりと膝をついたという。





こんなのはどう?ってカカシが期待を込めてたずねた。
「そうだな。蛇口から出たりATMから出たりするあんたはよく考えればみんなの火影っぽいな」





「だけどATMから出て来るなよ。やっぱり、あんた火影なんだから」
「何をいうの?サスケのためならオレはどんなことだってできるんだよ?」
そう微笑んでオレのこと抱きしめた。





「だけど、そのビデオはどうしたんだよ?あんたこっそり持ってないよな?」
「何をいうの?オレは絶対、そんなことしないでしょ?」





確かにカカシは、エロ話しかしない割には中味は健全な男だった。
オレたちが目覚ましが鳴って十五分も寝過ごしてしまった時オレは「ああ、夢の中ではオレは炊飯器のスイッチを押してたのに」と飛び起きて、カカシは「ああ、夢の中ではオレは起きてコーヒーを飲んでたのに」とぼやいて頭を掻いた。
そんな平和なカカシとの暮らしが幸せだった。




FIN.
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