カカサス4

□ファミレスで
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夕暮れ、一人前にクナイの稽古なんかするあの子を覗き見て、オレはまたも身もとろけそうだった。
きっと目も細く細くなって溶けそうに笑っているだろう…





いや−、
きれいな子でね。
オレは昼間後輩に照れながら言い訳してた。
後輩は笑って話を聞いていたのに。
あの子の顔に影がさして、昼間の後輩があの子の前に立っていた。
彼の手には小刀が握られていた…
きみが、九尾の事件に関係してない事は解っているんだ。
オレはやっと、彼が九尾に親を殺された世代だと気付いた。
「だけどうちはは許せないんだ!」





足がすくんで動けないあの子の頭上にぎらりと白刃が閃いた。
やっとの思いで飛び出して彼の手から小刀を叩き落とした。
昼間笑っていた彼の顔が憎しみで歪んでいた。
九尾に親を殺されたやつにうちはの子の自慢を聞かせるなんて。
なんてオレは浅はかだったろう…





彼を突き飛ばしてオレは叱りつけた。
火影様のところへ行け!
そうすればあの時の真相がすべて解る…





彼がフラフラと立ち去るのを見送った。
いや−、
きれいな子でね…
とろけるようなバカヅラのオレも彼は憎んだだろうか。
気が付いたらあの子が、
カカシさん、カカシさんとオレの脚にしがみついて震えてた。





心配しないでね。
オレがきみを守ってあげる…




FIN.
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