カカサス4

□サンマ/バナナ
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◇バナナ◇





フガクさんと一緒に酒を飲んでいる時は小さいサスケは大人の話に割り込むのはお行儀が悪いと思ったんだろう。
ちんまりと大人しく座ってオレ達の話を聞いていた。
子供のじぶんにはおつまみのカラスミやお造りは関係ないと思ったんだろう。
可哀想に。
オレは親ではなく友達だもの。
カラスミやお造りをサスケとつまみたかったな。
ある時オレが急にしゃっくりが止まらなくなった…
フガクさんは無作法者を見る目でオレを見ている。
オレピンチだ。
そういえばバナナを一気食いするとしゃっくりが収まるというのを仲間内で聞いた事がある。
サスケ、バナナ取ってくれないか?
ふだん大人の話に割り込まないいい子のサスケ。
バナナだったらじぶんにも関係あると思ったんだろう。
「カカシさんおいしい?」ってたずねてきた。
一気食いで、しゃっくりを止めるのに必死でサスケに答えないオレ。
サスケは何度もおいしい?おいしい?ってたずねてきた。
オレは一度も小さいサスケを無視した事はないのだ…
じわっとサスケに涙が滲みそうだ。
とうとう根負けしてしゃべった。おいしいよサスケ。
それで小さいサスケは納得してくれたけど…





結局、オレのしゃっくりはしばらく治らなかった。
それ以来フガクさんは無作法者を見る目でオレを見たけど、サスケと友達でいられるほうがオレには大事だった。




FIN.
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