ナルサス2

□会えない
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◇会えない◇





サスケはシャツにズボンだけで、オレにいたっては上半身は裸というアカデミーのガキよりも貧相な忍装束でホテルに到着した。
ヘロヘロのオレたちは部屋に入るなりかたく抱き合う…
おまえがオレの背中に手を回して強く抱いてくれるのは、疲れたおまえがオレからチャクラを抜き取っているのかもしれなかったけど、それでもよかった。





だっておまえがずるいことができるのはこの世でオレだけだろ?
ああ、おまえは、世界で一番真面目なやつだ。
禁欲的すぎるおまえが哀れで思わずその唇をむさぼった。
キスをほとんど知らないおまえの歯列を舌で割って入って口腔をねぶればおまえの息が上がって頬が紅潮する。
その胸の尖りを指先でこね回して「ああ…」と耳元に荒い息を吹きかければ、おまえの足元がおぼつかなくなる。
それをいいことに、ベッドにそっと倒してちゅうちゅうと胸の尖りを吸い上げればおまえが「ああっ…」と吐息を洩らした。
なんて可愛いんだ。





思っていた以上に簡素なおまえのズボンをずり下ろして、おまえの茂みのそこを舐め上げればおまえが「あっ…」と悲鳴を上げて、びくんと身を跳ね上げる。
だけど切なげにオレの頭を抱いているのはけっして嫌ではないのだ…
オレ、今以上にサスケに必要とされることねぇかもしれねってばよ…
泣きたいのを我慢してちゅっちゅっと顔中にキスを落としながら、狭いおまえのそこを指で慣らした。
ああ、オレが今以上に愛情を込めて誰かを抱擁することはない…
おまえは二度と里へは戻らないのだから。





クチュ…クチュといやらしい音が部屋中に響いておまえが切なげにオレの背中に抱きついてくる…
「ああ…早く…」
おまえが美しい赤い頬で限界を知らせるけれど、これが終わったらおまえはまたオレを捨てて行っちまうんだろう?





おまえの中に腰を沈めると、おまえが「ああーっ…」と悲鳴を上げて身を痙攣させる…
ぎゅっと太股でオレの腰を挟みつける、無意識なおまえが壮絶に可愛い。
おまえの呼吸が落ち着くのを待って始めはゆっくりと…。だんだんと強く腰を叩きつける。
「あっ…あっ…」とおまえが短く叫びながらずり上がる腰をつかんで引き戻しながら、腰を打ちつけ…おまえはもう一度びくびくと身を震わせて脚で腰にしがみついてくるのがとても愛しかった。
その時オレは涙を流していたかもしれない…おまえは知らなかっただろうけど。
あの時イタチ兄ちゃんが悪を演じながらも涙を流していたように。





愛撫が終わってまだ頬を紅潮させて、ぐったりと横たわるおまえの顔中にちゅっちゅっとキスを落とす。
「行っちまうんだな…」
「ああ…」
おまえの決意を変えられなかったオレを許してくれよな…そう微笑んだらおまえが怪訝そうに美しい目を開いた。





「だけど、来週には木の葉に戻ってくるぜ?」
「えっ…そうなの?」





イタチが命をかけて、密かに守っていた里だぜ?
旅をするにしても、一週間が限度だ。里の平和を守りに、必ずオレは戻ってくる…
「当然だろう?」とおまえはしごく真面目な顔をしている。





ああ、おまえは始めからそういう真面目なやつだったよなぁ…
顔をくしゃくしゃにして笑いながらオレは心から安堵していた。




FIN.

 

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