カカサス4

□僻み
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◇僻み◇





※青いダックシリーズ。





この春休みを利用してサスケが運転免許を取得した。
だけど晴れた日の乾いた路上講習しか受けていないんで、夜間や雨の日の運転には自信がないそうだ。
「路上でワイパー使ったり、ライト点けたこともねぇんだぜ。オレ立派なペーパードライバーになりそうだ」
照れくさそうに白状するサスケに目を細めた。大丈夫だよ。
オレの会社の副社長さんも、新潟の人だけど雪道の運転ができないんだ。
「えっ…奥さんが運転してるのか?」
「奥さんはサスケと同じだよ」
「えっ、ペーパードライバーなのか?それで新潟で今までどうやって生きてきたんだ?」
「新潟は電車が発達しているのさ」
冬場に地方のお得意様を送迎する時はオレが運転しているんだよ。酷い時は副社長さんも乗せるくらいさ。
だってオレ地方で免許取った子だもん。だから、サスケは心配しないで。
オレたちは見つめ合いどちらからともなくキスを交わす。
「でも新潟の人で雪道が運転できねぇって信じられねぇ」
「サスケと同じ。大学に入ってから東京で免許を取ったのさ」
それでサスケは納得してキスで息の上がった熱い吐息を洩らすのだった。上気した赤い頬がきれいだなぁ。
オレたちは角度を変えて何度も口づけを交わし、サスケがぐったりと脱力した頃に身体を支えてそっとリビングに倒す。
ここのところの陽気か、上気したせいかサスケのタートルの襟元がじんわりと汗ばんでいた…
乳首が丸見えになるまでたくし上げて吸い付くとサスケが「あっ…」と短い悲鳴を上げて首に腕をからめてくる。
するとオレのタートルの襟元も一気にかっと熱くなって、汗ばんでくるのだった…思わずシャツを脱ぎ捨ててサスケのズボンをずり下ろした。
サスケの平らな下腹は、まだ幼さを残している…。そこをねぶり上げればサスケはあっと叫んで、オレの髪をくしゃくしゃにして指をからめた。
膝を立ててぶるぶると震わせるサスケの肢体が明るい春の日差しで陰影を見せてもっときれいだ。
一度楽にしてあげようと強く吸い上げればサスケはだめだと拒否しながらも強い刺激に引きずられ「ああーっ…」と悲鳴を上げて身をびくびくと震わせ達してしまった。





「ふふふ…」
会社のデスクに座って楽しい思いにふけっているといつの間にか兄さんが死んだような目でオレを覗き込んでいて、ぎょっとした。
「カカシさん?あなた暇なんですか?」
はっ。オレはまた妄想を口にしていたのか。
「失礼しました。あまりにも、いつもデスクで考えておられることが同じでしたもので…」
そこは、ほっといて欲しい。てゆうか兄さんは今日は何の用事できたのだろう?
すると兄さんはいつもの髪を一つにまとめた端正なスーツ姿でオレの心を読んだように話すのだった。
「ご存じのようにオレとあなたの会社は、一部業務を提携しています…それで最近知ったのですが、あなたの会社がお得意様の送迎用に、ワゴンバスを導入するようですよ」
ワゴンバスかぁ。それはちょっと憧れる。
オレはワゴンバスの引き戸を開けて中にサスケを通す様子を想像してみた。車内は割と広くてサスケはいつものように前から二つか三つ目の席に座る。そういう子なんだ。
そしてオレはその後ろの席を確保して「運転手さん、サスケの大学までお願いします」というだろう。
サスケは振り向いて「すまない。オレもローンで車を買ってあんたに迷惑かけないようにするから」というだろう。
何をいうの。オレはサスケの役に立てて嬉しいんだから。
オレはそう笑うけど内心は、昼間の路上しか走っていないサスケにいきなり運転させるのは心配なんだ。
ああ。会社に、ワゴンバスがあってよかった。
てゆうか社用のワゴンバスにサスケを乗せてる設定が謎だけどオレの夢とロマンはサスケだから。
しかし兄さんは不思議そうな顔をしてオレを見ている。
「何をいっているのですか、カカシさん?運転手はあなたですよ」
「えっ、運転手がいないのですか?」
「そうです。最近では地方出身の社員も雪道を運転できません。あなたのように優秀な運転手なら大丈夫と、会社はあなたを買っているのです。なにしろあなたは地方で免許を取った子ですからね?」





兄さんは好意ある優しいまなざしで話してくれている…。それは間違いない。
だけど今まで以上にこき使われる予感がするのは、オレの僻みだろうか。




FIN.
 

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