ナルサス3

□トマトのオムレツ
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◇トマトのオムレツ◇





※ナルト視点で。





施設を出るとオレはじぶんでアカデミーの弁当を作るようになった。
ライスの上にめだま焼きが乗ってるだけのシュールな代物だったけどそれでよかった。
サスケの席が窓際にあって、風下のオレはサスケが黙々と食う弁当の匂いを嗅ぐ事ができた。
しかしオレは、人のおかずの匂いで飯を食う、いやしんぼではない(笑)





サスケの白いほっぺが黙々と動いて、ごくんと咀嚼するのを見るだけで、オレは爆発的に食欲が増進した。
白いうなじを盗み見て、甘い匂いを嗅ぐだけでオレは幸せだった。
アカデミーはいいところだ。
サスケのいる場所が、オレの幸せの場所だったってばよ。





弁当を食い終えるとサスケは寂しそうに容器をしまった。
サスケは優しいから、一人になると家族の事を思い出してしまうんだってばよ…
サスケのおかずには時々トマトのオムレツが入っていて。
それをサスケは人知れず嬉しそうに食べていたけどそれは母ちゃんの得意料理だったんだろ?
ずっと見てたオレが、それを知っていた。
そしてオレはグスッと鼻を鳴らした…





優等生とドベが、一緒に飯を食うという恥を捨ててある日オレはサスケに話し掛けた…





「こ…ここいいか?」
「うん…?」





というような顔をオレはしていた。弁当を一緒に食うのに決闘でもするような顔をしていたんだろう。





「お、おかずが…」
「ああ、おかずが食べたいの」
サスケはオレの弁当を見て笑ったけど、奇跡のような白い手でウインナーやオムレツを分けてくれた。
オレのサスケはやはり優しい。
お兄さんぶってオレにおかずをくれるサスケを見てもっと早く話し掛ければよかったと思った。





それからサスケは毎日弁当を分けてくれるようになった。
それは七班に上がってからも続いた。





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