七つの大罪2

□暑い夜
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■暑い夜■





※団ちょ視点で。





騎士としての初月給の日にザラトラスは細い細い目で笑ってふだん世話になってる家族に恩返しをしなさいといった。
オレたちには家族がいない。ありきたりな話のできるザラトラスに内心呆れた。
バンはバカだから神妙な顔で聞いていたけど…





その日も特別な献立は作らずス−プの用意をしていたら、玄関がキイと開いた。
なんでかバンがケ−キの箱を提げていて。





「なんの用だよ?」
「は…初月給だから…」





ザラトラスにいわれた時な。世話になってるっていったら、団ちょの顔しか思いつかなかったんだよ。
だ…だから…





バカのくせに真面目くさっていたから、やつが哀れで「毒でも入ってるんじゃね−か」なんて嫌みがいえなかった。
「貰うよ。腹減ってんだ」
その時、輝いたやつの顔が忘れられない…





帰りぎわにやつが落としたがま口を拾うとそれはもうかなり軽くなっていてオレは、可笑しいんだか、泣きたいんだか解らなかった。





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