七つの大罪2

□折り鶴
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■折り鶴■





小さい団ちょが風邪で学校を休みました。





エスタロッサがお仕事を休んで、団ちょに付き添っておられました。
ちっぽけな身体は熱に堪えきれずに死んでしまうかもしれません。
お母さまは「大丈夫よ」と笑っておられましたが。
おろおろとエスタロッサは小さい団ちょの看病をなさいました。
その時そろそろと、玄関が開いて見慣れた銀色の頭が遠慮がちに中を覗いていたのでありました。





「バンくんといったね?」
名前を呼ばれると銀色の頭の子はびくんと身をこわばらせました。
そして黙って黄色い折り鶴を差し出したのでした。





「だ、団ちょに…」





学校の男の子が、折り紙を持っている事はふつうありません。
女の子にでも頼んで分けて貰ったのでしょう。
目をぎらぎらさせ汗をぽたぽた垂らすその子は生きる力の塊に見えました。
その力の半分でも今のメリオダスに分けて貰えたら。





「上がっておいで」
エスタロッサは心からそうおっしゃったのですがその子はぎょっとしてバタバタと玄関から逃げていきました…





恥ずかしかったのですね。
エスタロッサはそっと笑って、黄色い折り鶴を団ちょの枕元に置かれました。





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