七つの大罪2

□夏草
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■夏草■





軽い情事が終わってオレはティッシュを取ろうと団ちょの左胸に手をついて体重をかけたんだ。そしたら、「ううっ…ううーっ」って団ちょが堪んねぇ声を上げた。





「どしたの?感じたの?」って訊いたら団ちょはオレを睨みつけて「圧死するかと思ったんだよ、バカ」といった。
あれは団ちょの断末魔の声だったんだな。
それにしても色っぺぇ声だったよ…





その日の任務は森へ逃げ込んだ盗賊の身柄の確保だった。
団ちょと歩きながらオレはゆうべの団ちょの声を思い出していた…





あんなすげぇ声はエッチの時でも聞いた事ねぇよ。
オレはだいたい、団ちょが満足するように優しく抱いたから。
だけど本当は団ちょは酷くされるのが好きなんじゃねぇのか?(願望だ)
夏草の匂いを嗅ぎながら、団ちょの白い横顔を見て、オレはよこしまな思いでいっぱいだったよ。





怪我をしない程度にツラを張って死なねぇ程度に身体を縛り上げたら、団ちょはゆうべ聞いたような絶え入るような声を上げるんだろうか。
団ちょのちょっぴり生意気できれいな顔はそんな気分にさせた。
ああ、だけどダメだ…





ブンブン頭を振ったり深くうなずいたりするオレを見て団ちょは気持ち悪そうにいった。
「おまえはあっちを探せ。オレはこっちを探す」
「一人じゃ危険だよ。一緒に行ってやるよ」
「いらねぇよ(怒)」





団ちょが嫌そうに吐き捨てて去ってしまった。オレはそんないやらしい顔をしていただろうか。





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