七つの大罪2

□リスペクト
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■リスペクト■





ツーマンセルの任務中に、運悪く敵方のリーダー格と遭遇した…





バンはそれでも相手を追い詰める奮闘ぶりを見せたけど激しい剣の応酬の果てに、バンが地形に足を取られてバランスを崩した…
「団ちょ、大丈夫だ!飛び出すな!」
奴はそう叫んだけどオレは知らずに走り出していたんだ。敵の投げたナイフを、パシッと掴んで相手に投げつけた。





オレの投げたナイフが聖騎士に止めを刺すはずがねぇ。
なんとなくそう思っていたんだ。
だけど嫌な手ごたえを残してオレのナイフは奴の急所に刺さっていた…
硬直して、動けなくなったオレをバンが抱っこして、とっととこの場から逃走した…





ザラトラスが調査から戻ってくるのを待つ少しの間、オレは色々な事を考えていた。
奴は死んだのだろうか…?それともザラトラスが止めを刺すのだろうか?





「団ちょ?」
「オレは人を殺したのは初めてだ…」
バンは神妙な顔でオレの呟くのを聞いていた。
オレはこの世で人間に最大のリスペクトを抱いていたから。
魔神族でも女神族でもなく、唯一神に似せて造られた人間に敬意を払っていたから。
だからオレは聖騎士なんかしちゃいるけど人を殺した事はない…





ふとバンの顔を見ると奴は子供っぽい静かな顔をしていた。
団ちょはさ、人間のオレが好きなんだろ。
だから人間を殺せないんだろ?と奴は甘ったれた。
ああだけどだいたいおまえのいう意味と同じだ…バン。
ほとんどおまえのいう通りだ。





バンが奴が気になるのか?と訊いたからオレは頷いた。
「奴は死んじゃいねぇよ」
「気休めをいうんじゃねぇ」
「気休めじゃねぇ。団ちょが意味もなく人を殺すもんか」





オレは思わずバンを見た。不安だったんだ。
奴は笑っていたけどこんないい話をしてるのに、また甘ったれて唇を寄せてきた。
オレはバンを殴りつけようとして…そしたら、林からザラトラスが戻ってきた。





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