七つの大罪2

□風邪の日
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■風邪の日■





団ちょがよその国で流行ってる新型インフルエンザっぽいんだ。
「メリオダス様なら大丈夫です。奇跡の力で回復されますわ」
「団長は入院させないで。団長のひいた風邪だと感染力が心配だ」
みんな呑気に構えすぎだ。団ちょは人間だ。
少なくとも、団ちょはそうなろうと努力している…





家に帰ったら団ちょは目を覚ましていた。
「オレは入院するのか?」
弱々しく訊いた団ちょに、オレは笑ってやった。
「いや、団ちょは症状が軽いから入院する必要はねぇんだって。解ったか」
団ちょは安心したようにため息を吐いた…
とてもみんなの冷てぇ言葉は聞かせられなかった。





「団ちょ、果物食うか?」
「水が飲みてぇ…」
オレは団ちょの半身を起こして、水を飲ませてやった。
白い喉が動くのを見てそりゃそそられたけど、オレは紳士だ…
「オレは、新型インフルエンザじゃねぇんだな?」
「ああ、もちろん。そんな病気なもんか」
「だって、キスしてこねぇ」





オレは団ちょを抱いて口腔を舐め回した…
舌で白い歯列を割って熱っぽい団ちょの舌を絡め取って吸った…
団ちょがオレを押しやって「悪かった」というまで。





団ちょが眠った後オレはマーリンのところへ行った。
今は、あんなヤブ医者でもすがりてぇ気持ちだった。





「新型インフルエンザか?」
ちょっと考えてマーリンがいった。
「無認可だが、よその国で広く流行っているいい薬があるぞ」
「バ…バイアグラか?」
「それをいうならタミフルだろう」
マーリンが笑って、錠剤を見せた。
「無認可だが成分は同じだ。インフルエンザの特効薬だ」
「マーリンん〜」
オレはこの時ほどマーリンが頼もしく見えた事はなかった。
「もちろん副作用とかないよな?」
「いや、幻覚や問題行動が出る場合がある」
オレは思いきりマーリンの頭を蹴飛ばした…





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