七つの大罪2

□朝寝/スリッパ
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■朝寝■





バンが気管支炎気味なんだ。
ゴホゴホと決まった時間にアラームのように咳き込んで目が覚めるらしい。
可哀想に。
オレはバンの厚い胸に病院からもらったシートを貼ってやりながら、
「オレはどんな風に寝てた?」とたずねるのだった。
バンは微笑んで「団ちょがここにいるって、主張して寝てたよ」と目を細めた。
優しいおまえは世界で一番美しい男だ。
そのおまえを病気で失うなんてオレは愚かしくも一度も疑わなかった。
それくらいおまえは世の中のすべてなんだ。
事実バンは、気管支炎でも会社へは普通に通い続けてオレを安心させた。
愚かなオレはちっとも心配していなかったな。
こんなに好きな人はきっと死なないと思うほど愚か者で、
そんな時キングは腹立たしい様子で、「どうしてそう思うんだい?」と詰問したくらいだ。
キングは心配性だ。
怠惰の罪なんて呼ばれているのが謎だ。
あいつはすごく真面目な男だ…





バンのお着替えを手伝ってやりながら「おまえを送り出してオレがする事って解るか?」ってたずねた。
バンはきれいな背筋を見せながら「朝寝」と答えた。
「ええ!なんで解るんだ?」
てゆうか、なんで昼寝じゃなくて朝寝?
「そんなの匂いで解るよ」とバンは鳥のように笑うのだった。
それを見てだいじょうぶだ。
バンの気管支炎は、きっとだいじょうぶだと願わずにいられなかった。


「猫わっぱ」柊つかささんから!


FIN.
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