猫カカサス
□匂い
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発情期の夜、サスケが外へ出ていくといった。
サスケは外が大嫌いだってばよ。気が乗らねぇならやめろとオレはいった。
だってサスケはもうプルプルして、どう見ても外をビビっていたんだ…
「おれは、ひろい世間をみるんだ。そうしてつよいねこになって、おとうさんをお嫁さんにもらうんだから」
サスケにとってカカシはそこまでの男気を見せなくては、得られない嫁さんか。
オレはちょっとサスケの勇気に打たれたが、サクラちゃんは隅っこでゲラゲラ笑っていたっけ。
◆匂い◆
オレは兄貴として、先頭に立って夜の街を歩いてやった。
いつまでもついてはこねぇサスケを振り返ると、サスケは腹をベッタリ地面につけて、そろりそろりと歩いていた…
警戒しすぎだってばよ。
「頑張れ、サスケ」
ペロペロサスケの毛を舐めてやると、一気に染みついた外の気配が薄れたのか、サスケはしゃんと立って歩きだした…
こうして見ると、サスケは小さいけどほんとにきれいな猫だってばよ。
女の子たちが屋根のうえからにゃあにゃあ誘ったけれど、サスケは眼もくれなかった。
サスケ、男前だってばよ!
明るい商店街に入ると、オレのだいすきなかまぼこ屋からちくわのいい匂いがしていた。
ここのおばちゃんが、オレにちくわをくれるんだってばよ。
サスケ、ちくわって食った事ねぇだろ。
すげぇ旨いんだぜ!
おばちゃんのくれたちくわを先にサスケにやると、サスケは夢中でガツガツと食った。
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