猫カカサス

□おひるね
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オレとサクラちゃんは、そうでもなかったけど。サスケは勉強熱心でにんげんも大好きで、率先してお手伝いをしたがった。
要するににんげんがきれいにたたんだ洗濯物をグチャグチャにして手伝った。
にんげんは手間が倍に増えるだけだったが、成し遂げた顔をして行ってしまうサスケがオレは好きだった…





◆おひるね◆





サスケはそればかりではなく、キーボードや本という猫の生活には不要な作業まで手伝った。
にんげんがキーボードを使ってるとキーの上に飛び乗って手伝っていた。
サスケは軽かったからできたんだろう。
本はどうしたらいいか解らなかったようで、表紙にサスケの丸い牙の跡をつけていた。
それほどにオレのサスケは、真面目な猫だった…





好きになるっていうのは優秀な遺伝子を残したいっていう猫の本能だよな。
真面目なサスケがオレは好きなんだ。
夏の昼下がり、時々サスケに打ち明けた…
「カカシはやめてさ、オレと結婚しねぇ?」





サスケはオレの好きな黒い眼でじっと見つめてくれた…





「カカシは少し眼が垂れてるってばよ。優秀な遺伝子を残すなら、オレのほうがお得だってばよ」
「そうかな」





「オレと結婚したら死ぬまでちくわをあげるってばよ」
「ちくわはすき」





「だ、だったら…」
「でもだめ。おとうさんの次にナルトをおよめさんにしてあげる」





そういっていつも華麗におひるねに戻るのだ…
オレの気持ちは報われているのだろうか?
カカシの次にって事は、少しは脈があるのだろうか。
そんな物思いにふけるオレ。サクラちゃんはまた部屋の隅っこでゲラゲラ笑ってたっけ。





おひるねといっても、サスケには重要な務めがあるのだ。
いつも寝てばかりいるカカシの側で眠るのもサスケのお手伝いだった。
いつもの北側の部屋の、籘のソファで寝るカカシに、ぴったりついて眠るのがサスケの務めだった。
寝相の悪いサスケはぐいぐいカカシをクッションから押しのけて。
てゆうかサスケをつぶさないように、サスケの身体が触れるとカカシがよけていたのだが。
しまいにはサスケはまるまるクッションを占領して、やっとカカシの頭が隅っこに乗ってる状態だったけど。





それでも、カカシがサスケを追いやる事はないのだった。
まるでそれがサスケのお手伝いだと知っているみたいに。




FIN.

 

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