ナルサス

□はじまり
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夏休みの登校日に教室の後ろでひそひそ噂された。
「医療班の姉ちゃんがいってたぜ。あいつ強姦されたんだって」
間の悪い事にオレンジのドベが聞いていた。
あいつはオレをよく思っていない…
必死で本を読むふりをして、知らぬふりをした。





◇はじまり◇





今日は組み手の授業がある。
あのドベが黴菌みたいに噂をまき散らす前に寸止めに失敗したふりをして殺したかった。
だけどドベと組まされる事はなかった。
代わりにドベが今朝噂をしていた子の鼻を折っていた。
だけどドベが組み手で寸止めができないのはいつもの事だから、誰も驚かなかった。
「ドベー」ってみんなが囃したてた。
だけどあいつはちっとも笑わないで、やたら真面目な顔をしてオレのほうを見てた。
オレはドベの顔なんか見たくなかったから、そっぽを向いた…





教室ではいつものようにイルカに朗読をさせられた。
オレはいつものように読んだつもりなのに。
すごい早口になってしまって、自分ではどうする事もできなかった。
クラスのやつらが不審そうにオレを見てた。
オレはどうしてしまったんだろう…
イルカに「もういい」といわれて座るまで、本当に生きた心地もしなかった。





授業が終わってから、ドベが話しかけてきた。
「サスケ朗読苦手か?」





「オレでよかったら、サスケの代わりに読んでやるってばよ」
「ふざけんな、殺すぞ」





オレは精一杯脅したつもりだったけれど、ドベは怒るでもなくただオレを見てた。
ドベなんかに同情されるような酷い朗読だったか。
それとも親切めかして近づいて、なにか企んでいるのか。
少なくともドベの世話なんかになりたくない。
あいつの側から離れながら、情けなくてほんとに死にたいと思った。





イルカに職員室に呼ばれた。
オレはさっきの酷い朗読の件だと思ったけれど…





イルカがいった。
「組み手の授業ね、ナルトはわざと相手の子を殴っていたんだよ」
見れば解るけどねと。





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