カカサス2

□犬の目
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◇犬の目◇





春休みにカカシと、撮り溜めしていた南極物語を見た。
基地に取り残された犬を見て、「この子達なんで死ななかったんだろう…」とカカシが呟いた。





「そりゃ、ペンギン食ってたのさ」
「えっ…やっぱりペンギン?」
「決まってるだろ」
ペンギンさんごめんなさいと手を合わすカカシが可愛かった。
人の悪口をいわないのと同様に、カカシはどんな犬も悪くいわない。
犬はどんなのでも好きだったんだろう…
そんなカカシが好きだった。





嗅覚で調べるといえば聞こえはいいが、要するにがらくたを放置しているローマ部屋をカカシが忍犬と調べていた。
パグのような犬だった。
そういえばオレはいまだに、こいつらと話をした事がない…
そう思ったらパグと目が合った。





そいつはオレを見て一瞬で、まだアカデミーのガキと判断したんだろう。
見下げるような目でオレを見てきた。
カカシはこの忍犬をどれほど信用しているか知れないが、その目を見たらこの犬はその程度のやつかと思った。
カカシは年下の部下にだって、そんな見下した態度を一度も取った事がない。
そんなカカシをオレは買っているんだから。
すぐに忍犬への興味を失って目をそらしたけれど、パグは驚いた様子でずっとオレを見てたっけ。





夕方ご飯の仕度をしながら、カカシが話した。
「パックンがさ〜」
パックンっていうのか。





あのさ、関係ねーけど七時に夕飯って遅いぞ。オレは九時には寝るんだからな。
「ごめんなさい」
ちゅっとほっぺにキスをした。





調べ物に時間がかかってしまったものですから。
ふふっと嬉しそうに笑った。
カカシは仕事のプライベートをオレにも教えねー。
そんなちゃんとしたカカシがオレは好きなんだから。
敢えてどんな仕事か聞かなかったけど…
カカシが嬉しそうなのは仕事の事じゃなかったみたいだ。





パックンがさ〜。
サスケは切れ者だって褒めてくれたんだよ。
すごいねサスケ。
パックンとサスケの立場が、一瞬で逆転したっていったよ。
サスケは犬に好かれるんだね。





オレは動物になんか好かれた事ねーよ。
ううん、サスケは好かれてたよ。
オレは犬に好かれる人は大好きだよ。
やたら機嫌のいいカカシを見ながら思った。
自覚がないのかカカシ…





オレはただ、あんたと忍犬を比べただけだ。
だけどカカシに調子に乗られても困るから黙っていた。





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