カカサス2

□サスケはじぶんが…
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寒い休みの日は二度寝をしてカカシより寝坊をした。
知らぬ間にカカシが低くオレの耳元で囁いていた。
(おはようございます…おはようございます…おはようございます…)
オレはくすぐったくて笑って目を覚ましたけど同時に耳にあたたかい息を感じて、妙に気持ちよかった。
カカシもいつもこんな思いをしてたのかな。





◇サスケはじぶんが…◇





カカシのアパートにお泊まりの時は、なんとなくオレが飯の用意をした。
アスパラのお浸しにたっぷりマヨネーズを添えて、それとめだま焼きを作った。
しかしめだま焼きほど出来不出来がはっきりするおかずはないな…
めだま焼きの一個の黄身を、うっかり潰してしまった。
潰れた部分だけが固焼きになってしまっためだま焼きを、フラストレーションを感じながら食卓に出した。
カカシはそんなオレの素振りを見ていたのか。





オレが復讐します…
ですからもう、苦しまないでください…





そう笑ってたった一口で潰れためだま焼きを食ってしまった。
オレのフラストレーションはどこかへ消えてしまった。
大袈裟な男だけどありがたかった。
そんなカカシがオレは好きだったのに、オレはちっともお利口でなかった気がする…





朝飯の後で、カカシの万年床に転がされた。
ハーパンのポケットから携帯が滑り落ちて、カカシが拾ってくれた。





「可愛い花のストラップだね」
「それ風車だぜ」





「サクラから貰ったのかい?」
「ああ…」





ちゅっちゅっと丁寧にキスを落とすカカシがオレは大好きだったのに…
つい悪戯心で聞いてしまった。
「好きかこのストラップ」
「すごく」
「そういうと思って、あんたも仕事のリュックにつけたいといっておいたぜ」
「えー」
…情けない顔をするカカシが可笑しかった…





嘘だぜ。そんな訳ねぇだろ…
それでもそう耳元で囁いたらカカシの目の色が変わった。
カカシは耳が感じるんだ。
貝のような綺麗な耳だった…
オレはチビの頃から、その耳を責めてカカシを困らせた。
オレみたいな性悪ガキもいなかった。
それなのにカカシは、オレがお利口で大好きと繰り返したけど…





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