story

□untitled
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「ねぇ、」


じゅぷじゅぷと繰り返していた挿入を不意にやめた。


「力抜けてんじゃん。」


ココ。
そう言って既に俺のでぎちぎちになっている穴の中に、無理矢理中指も突き入れてやった。


「ほら、まだ余裕ある。締めて。もっとちゃんと。」


バックから犯してやってると、こいつが悔しさと怒りと恥ずかしさでシーツをぎゅっと握り締めたりするのがよく見える。
そんなことしたって、俺、余計そそるだけなのにね。
計算でやってるとしたらお前はもう立派なメス豚だよ。


「痛ぇ…!」


中指を入れたまま、俺のを抜き差しした。


「痛ぇッて…!」

「…痛いから、何?」


苦しそうなカオで少しだけ振り向いた彼に、俺は、極上の微笑みをなげかけてやった。


「止めろ、なんて俺に言うの?」


言わないよね、そんなこと。
にっこり口角をあげてそう言って。

―ズン。

ぎりぎりまで抜いて今までで一番勢いよく入れた。
ぬちゃり。そんな卑猥な音がした。


「お前、自分が俺の何かよくわかってるんじゃなかったっけ?」


突き上げながら。
そう尋ねた。

亜久津は答えない。
シーツに顔をうずめるようにして、ただ、時々苦しそうな声をもらした。
そして俺の突き上げに体を揺らしている。否、俺がこいつを揺らしている。


「…」


今このメス豚は何を思っているんだろう。
ちゃんと気持ちいいって思ってるのか。
俺が入れてやってんだ。
可愛いあえぎ声のひとつやふたつ
出せるだろう。
男に、俺に、こびるのは、
もうとっくに慣れているはずじゃないのか。


そんなことを考えてたら、気づいたら俺は、自分がイクのも忘れてただ無心に亜久津を突き上げてた。
穴が裂けそうになっているのにもかまわず。

ぐちゃぐちゃにしていた。

亜久津は、何も触っていない自分のペニスからまた汁をたらし始めていた。

何も触ってないのに。

こいつはそんなにもマゾで、オナニーの大好きなメス豚なんだろうか。


俺がそんなことを考えてるときにこいつったら痛そうな気持ちよさそうなどっちともとれない声出しやがって。

俺は目線の先にあるキレイな銀髪に、無性に腹が立った。

そして気づいたら、彼の髪の毛を掴んでもちあげていた。


「う、あ…っ!」


尻の穴に突っ込まれて触ってないのにもうアソコ勃たせて我慢汁垂らして顔真っ赤にしてる奴が、目の前でのけぞった。自慢の銀髪を、俺に、引っ張られて。


「っ…」


片手で自分の体を支えて、片手で俺の手を払おうとする亜久津。


「…ねぇ、」


でもそんな健気で必死な抵抗も、可哀想なことにみじんも効かなかった。


「亜久津はさぁ、」


俺に尻の穴串刺しにされときながら、それでもまだ弱弱しく抵抗しようとしている。馬鹿なこいつは。


「俺の、」


“最高の便器なんだよ。”
“ぶちまけるには、最高の体なんだ。お前は。”

そう言おうかどうか迷って、やめた。



手を離す。
亜久津がシーツに沈む。
肩で息をしている。
よほど痛かったのか。
よほど俺の力が強かったのか。
俺の手には銀髪が残った。たくさん。

何故言いかけてやめたのかは自分でもよくわからなくて。

それは慈しみの気持ちからかもしれないしただめんどくさくなっただけかもしれないしその台詞に自分で萎えたからかもしれない。

頭の隅っこでそんなふうに色々理由を考えていたけれど、本当はそんなこともうどうでもよかった。

俺の手ひらに残った亜久津の銀髪が、単純に、綺麗だったから。


「…お前の髪、綺麗。」


まだイっていない俺のを抜いてから、そのヒクついて淫らな穴に亜久津の銀髪をねじ込んだ。

穴の感覚が麻痺してるのか、とりあえず亜久津は何も抵抗しなかった。

穴の奥の方に残っていた、一時間前に一度放った俺の精液と彼の毛とがぐぷぐぷと混ざり合ったのを確認してから、俺はまた自分のを突き刺して動かし始めた。


「…お前さ、」


亜久津の髪の毛を、先っぽの方でちくちく感じる。


「お前の綺麗なもの全部、ここにしまっとくといいよ。」


亜久津は何も言わない。
背中を向けて、顔はシーツにうずめたままだ。


「そしたら俺のセーエキとひとつになるから。」





(そんな綺麗な髪を、
俺以外のやつに見せないで。)






end

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