Crime City

□第1章 死の予感
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「夕闇、クライムシティに行けばお父さんお母さんを助けれるんだって。あたし、行ってくるね。」
「帳、死人は帰っては来ない。
それにデスゲームだぞ、目の前にいる人間を殺さなきゃいけないんだ。」
「夕闇がなにを言ってもあたしは助けに行くんだ。」
「さよなら、夕闇…。」
帳と俺の距離が遠くなっていく
「待てー、帳ー。」

ガバッ
「また、あの夢か。」
もう一度、自分のベッドに寝転んだ。
フーッ
「帳が居なくなって、もう1年か…。」
小さい部屋は大分と片付いている、形だけの勉強机の上にはポツンとあの頃の写真が置かれている。
「帳…。」
必ず帰ってくるよな。
その後、少しして夕闇は一階に下りた。

夕闇は朝から食欲が無かったので歯磨きをすることにした。
歯を磨きながら、おもむろにテレビを点けると
『クライム•シティと呼ばれるデスゲームが東京都○○島で1年前から行われているそうです、しかし、実態が掴めず、記者が現地に到達後すぐに銃で発砲されたもよう、死者が1万5千を超えているという情報が・・・・・
以上で特番を終わります。』
夕闇の手からリモコンが離れた。
少しの間、絶句してしまった。
「1万…5千…だと。」
そうなると「帳は…。」
テレビから目を離し、ドアを開け、階段を駆け上がった。
自分の部屋に入ると勢いよく、支度を始めた。

   五分ほどで荷づくりが終わった夕闇は、机の上にある帳と自分とがツーショットで写っている写真を最後にしまった。
「待ってろよ、帳。」

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