Crime City

□第5章 ……!?
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         C.C  第5章  ……!?
   
   始まった瞬間に俺は走り出し、
遊月はイズマッシュサイガを構えた。
だが、遊月はすでにハンドガンの射殺範囲内(キルレンジ)、俺が見たときには気絶していた。
マジかよ…。
取り敢えず物陰に隠れた夕闇はベレッタPx4にマガジンを装填して、再び背中に隠してあるホルスターに閉まった。
普通に考えて、この場所が見つかれば遊月と同じ結末を迎える
ことは免れないだろう。
かと言って、移動しても地の理があるのとないとでは天と地との差がある。
ヤツのハンドガンはサブマシンガン並みの連射性がある。
しかも、マガジンまで改造しているようで、恐らく1丁30発前後といったところだろう。
しかし、速くて装弾数が多い武器には共通の弱点がある。
それは、重力。
重力は地球上に居れば誰もが何もかもが架せられる糧だ。
それに勝る物は無い。
それを実質サブマシンガンに近いソレを2丁扱っているのだから、自由もそれなりに制限されるのは免れない。
ただ、あの服装は反則だろ…。

    ヤツが別のフロアに行ったのを確かめた俺は静かに小走りで出来るだけ障害物が多くて広いフロアを探し始めた…刹那に警報が鳴り響いた。
ピーーッ、ピーーッ
!!?
マジかよ、罠(警報)とか古典的すぎて警戒してなかった…。
『そこに居るのね。』
後ろから可愛らしいアニメ声が聞こえてくる。
マズイ、廊下なんかで闘うなんて絶望的すぎる…
他に部屋は無いかとキョロキョロ見渡すと、救世主といっても過言ではないぐらいのベストポジションに部屋を発見した。
迷わずにドアノブに手を乗せ勢いよくドアを引いた。
…うん?ドアに『入ったバカは処刑なんだから!』と可愛らしく丸文字で書かれていたが…

    中には恐ろしくその…なんというか…コ、コスプレ?的な物が数千単位で置いてある…
「ハンパねぇな…」
とりあえず奥の方でやり過ごすことにしよう。
コツッコツッ
と足音がどんどん近づいてくる
ピタッ
いきなり止まった。
ドカンッ
…ドアを蹴破りやがった。
人間業じゃねぇ…。
少しプルプルしてから
『あたしの楽園に土足で入りやがったクズやろうは何処だー!
コレクションに指一本触れたら朝日を拝めなくしてやるんだからね。』
それは非常に困る…それに…。
メイド服って……。

    『出てきやがれ、ウジ虫、ゴキブリやろう。』
カチン
流石にさっきのは許せないな。
ああ、こうなったら出て行って真っ向勝負でケリを着けてやろう…。
「出てきたぜ、これで文句ねぇよな。」
『鬼ごっこは終わりかしら?』
「追いかける方が鬼なんて限らないよな。」
『じゃあ…、教えてあげようかしら。』
「ご鞭撻のほどをお願い頂こうかな。」
『その減らす愚痴をたたけないようにしてやるんだから。』
言い終わったその刹那、電光石火の如くスピードでヤツは迫ってくる。
HK45TとワルサーP99は構えられていない。
俺の服の襟と袖口をしっかり掴んで足を軽く捻った。
掴まれた時に外す事ができたと思うが、女子の甘ったるい匂いやられて一瞬反応が遅れた。
その隙に夕闇の体を腰に乗せて
そのまま投げる。
バチーン
背中を中心に痛みが走る。
「ウッ…。」
油断した…。
倒れた夕闇の両手を蹴った。
夕闇の手からハンドガン2丁が離れた。
そして、HK45TとワルサーP99を構えて夕闇の顔を狙った。
『チェックメイト。』
カチッ
『降参して、泣いて土下座してゴメンなさいと謝るなら許してあげるわ。』
残念ながら俺にはベレッタPx4がまだ残っている。
そして、今リミットオーバーが発動した。
「それでは無理だ。」
ムッと顔を顰めて、
『あんた、なんて言った…』
どうやらご立腹なご様子だ。
「それはただのチェックにしか成っていないって言ったんだよ。」
言い終わってすぐに背中からPx4を抜き構え、そして…撃つ。
ズガンッ、ズガンッ
やつのHK45TとワルサーP99が宙に舞い、そのまま地に落ちた。
「チェックメイトだ。」
頭にPx4を突き付けた。
・・・・・・・・。
しばらくの沈黙が訪れる。
『分かったわ。降参して上げるわよ。』
手をヒラヒラ振った。
しょうがないと言わんばかりの行動だ。
ドガーン
大きな揺れが起こった。
「なんだ…?」
あの爆発音は…、RPG7か!
『また、来たか…。』
「またってなんだ?前にもあったのか?」
『えぇ、クライムシティは中の良い人間達はチームを組んだりできるの。また、強い人達が中心となってギルドを作ることもあるのよ。』
夕闇は相づちを打った。
『その中でも集団で一人や二人で活動している人達を狙って虐奪、抵抗する者は殺す。
《赫の罪人達(レッドギルド)》と呼ばれてるわ。』
夕闇は無言でUSPとデザートイーグルを拾い上げ、マガジンを実弾に交換した。
『殺る気なの……?無駄よ、相手は50人以上いるのよ。』
手を振り、言った。
「今の俺に勝てるやつなんかいない。」
ガチャリッ
『ダメよ、絶対に勝てない・・・わ。』
ガタンッ
止めれなかった久遠はただ、閉じられた扉を見つめることしか出来なかった。

    店の前には戦争でも始めそうな武装をした人たちがいる。
RPG、LAW、AK47、Uzなどの高スペックな武器ばかりだ。
一番、武装が凄くリーダーらしき人物が言った。
『おい、そこにいるお前。店主を出しやがれ。』
「嫌だ。」
フンッと、鼻を鳴らして堂々と威張って言った、
『それなら、力付くでひきづり出してやる。』
リーダーらしき人物は右手の親指を立て、そのまま下に下ろした。
アメリカなどでは殺すとか消すなどの意味合いがある行動だ。
言うならば、宣戦布告。
夕闇は右手にUSP、左手にデザートイーグルを構えた。
自分でも驚くぐらい冷静で落ち着いていた。
スーーーッ、ハーーー。
大きく息を吸いこむ、身体中に酸素が満たされていくように神経が冴えてくる。
不思議な感覚に陥りながらもリラックスをして言った、
「さあ、戦い(パーティ)の始まりだ。」

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