黒白の世界 壱

□黒白ノ世界 壱 Part2
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【闇に落ちた少女】




((美咲Side))


『…ン…ッ…』


目の前の世界が崩れたと思ったら、落ちるように現実に引き戻されていた。


気付けば私は布団に寝かされているわけで…、回りには誰も居ない。


―寺田屋に帰ってきたのだろうか…?


霊圧を探れば確かに龍馬さん達の霊圧が傍にあるわけで、此処が寺田屋だと確信する。


『……一角獣…。』


目が覚めても、あの時の出来事が頭から離れない。


―あれは本当の出来事だったんだろうか…。


身体を起こし立ち上がろうとしたその時だった。


スパンッと勢い良く襖が開かれる。


「…美咲ッ!!」


『…ッ、以蔵…何だおm…―!!』


『何だお前か』と、そう言いかけた時私は以蔵に抱き締められていた。


『…ッ!?、以蔵?』


予想だにしない行為に、顔中に熱が籠るのが分かる。


―絶対に私、顔赤いって…//


「…ま…が…、…て…も…た」


『…え?』


俯いてブツブツ呟いている以蔵に耳を傾けた。


「…お前が消えてしまうんじゃないかって思った…。」


以蔵の声は小さく、いつもの私に対する強気な声ではなく、震えているようにも聞こえた。






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