薄桜鬼幻想録
□月見れば千々のものこそ悲しけれ我が身一つの春にはあらねど
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《雪村 千鶴Side》
秋。
肌寒い季節に見上げる秋の夜空は一段と美しいものだった。
今日は満月。
今日は何故か満月を見たくて、縁側に座り月を眺めていた。
周りには誰一人見当たらなく、今此処に居るのは私一人だけ。
流石に皆寝てる時間。
「こんな時間に一人月見なんて可笑しいよね…;;」
?「いいんじゃない?こうゆうのも。」
独特のあるその口調に私はとっさに後ろを振り向く。
千「おっ..沖田さんっ!??」
私の背後に居たのは、沖田さん。
沖田さんは人差し指を唇に当てて、「静かに」という合図を出した。
そういえばこの時間は皆、寝てるんでした..;;
沖「巡察でお団子買ってきたから一緒に食べない?」
千「あっ..はい、頂きます!!ではお茶を用意してきますね」
沖「うん。ありがとう。」
私は彼から離れ、お茶を煎れに行った。