短小

□猫と真田と財前の出会い
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「俺と真田さんの出会いは特殊やった。





「何やっとるんや。」



今日は俺の中学、四天宝寺と神奈川の立海大付属の練習試合の日。



今はウチのラブルスと煮卵ガムペアが試合しとる。



俺はその間暇やから部室に籠ろうと思うとったんやけど…なんや変なもんを見つけてしもた。



「うむ。財前か。」


草むらにしゃがんでいた真田さんが俺の方に振り向いた。




「真田さん。何しよるんすか…。」



皇帝と呼ばれとる人にしては哀れな格好やな・・・。



「実はな…。」




真田さんは小さく息を吐きながら草むらの中を指さした。




「猫?」



「あぁ」




真田さんの足に絡まって離れない一匹の猫がいた。




なんやえらい真っ白な猫や。


「離れないんですか?」


「うむ。」



すっかり困った顔しとる。


意外におもろい人やな。



「ちょっとええですか?」



俺は真田さんの足元にしゃがみ真田さんの足に絡まっとる猫を抱き上げた。


「離れましたよ。」


「うむ。すまない。」



俺の腕の中におる白猫は真田さんがえらく気に入ったみたいやな。


今にも俺の腕から飛び出しそうや。



「真田さん。この猫どないするんです?」

「そうだな…予想以上に懐かれてしまったならな。」



・・・。



と言う経緯で出会ったんですわ。」




「って、全部お前の語りやったんかい!!!」


「謙也さん、ウザイっすわ。」






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