夏目/友人帳
□にゃんこ帳
1ページ/1ページ
○月×日くもり
きょうはなつめのやつががっこうからかえったらななつじやのまんじゅうをかいにいくといっていた
たのしみだにゃ〜
むっふっふんっ
○月×日くもり
なつめはまだかえってこない
なにをしているんだ
あいつはほんとにのろまなやつだからなぁ
おれさまがついてないとほんとにだめだめなやつだ
○月×日くもり
いったいいつまでまたせるのだ
おいなつめ
さてはおまえうそついたのか
そうなのか
そうなんだな
ゆるさんぞ
ぜったいゆるさん
おぼえていろよ
おもいしらせてやる
はやくかえってこいなつめ
○月×日くもり
ななつじやのまんじゅうはうまかった
きょうはもうねる
「ん、先生。にゃんこ先生?」
揺すっても起きない
「ったく、もう。こんな所で寝たら風邪ひくだろ」
夏目は斑を抱き抱えて布団に移した
「はぁ、おっもいなぁ。どんだけ食べれば気がすむんだよ」
斑が寝ていた場所は菓子の空袋が散らかっていた
夏目はそれを広いながら斑の膨らんだ大きな腹を見てため息をひとつもらした
「ん?なんだ、これ?」
菓子袋に紛れて和紙が何枚か落ちていた
その紙には一面に渡って何やら墨で書かれているがさっぱり分からない
必要なモノなのか分からないが、勝手に捨てて怒られても面倒くさいから、そっと机の上に置いといた
斑に目を向けてみると寝返りを打ったのか俯せになっていた
大きなお腹のせいで、呼吸をする度に背中が浮いたり沈んだりしている
「ぷっ、くくっ」
口に手をあてて、あまり大きな声が出ないように抑えながら笑う
ピースー、ピースー
規則正しい寝息が聞こえてくる
おしまい