銀時love倉庫
□夕方の雲
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銀さんは前と変わらず、
夕焼けの見える川のほとり
にゆっくりと座った。
「 銀さ…『 優子はさぁ…。不安って、わかる…?」
突然の言葉に動揺する私。
「 不安…? 」
「 そ、不安。
銀さん毎日不安だったわ」
「 なん…っ!!!!??」
銀さんは私を
強く、
強く、
強く
抱きしめていた。
「 銀さん…?」
「 俺…
忙しくて、優子に会えないことが嫌で苦しくて
自分に腹がたってた。
優子が会いに来てくれなかった理由もしってる…
銀さんを気遣っての事だって。」
「 銀さん…」
私は銀さんの溢れでそうな
涙を手でぬぐった。
「 で…も…
久しぶりにせっかく優子が会いに来てくれて…
抱きしめたいのに…
優子の顔、みつめたいのに…
できないんだよ…
お前をいつか傷つけんじゃないか…って……!!」
銀さんは
私を大切にしてくれている…!!
銀さんの震える体を私はだきしめかえした。
銀色の髪からは
銀さんの涙が何度もつたって落ちた。
銀さんの涙が私の頬に落ちるたび、
私は泣いた。
「 この夕焼け…
素直なんだよ?
銀さんも素直になっていいんだよ…?」
私のその言葉と同時に
銀さんは私に
優しい
優しい
キスをした――――。