短編

□有名人×一般人
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俺はソファに座りTVを眺める。
TVの画面に映るのは珍しい赤髪の切れ長の緑眼の人物。…欲にいうイケメンだ。


『基山ヒロト』




TVの世界で知らない人はいない程の有名人だ。…しかも俳優の世界で活動を日々している。ファンもそれなりに要るはずだ。


…何故そんなに詳しいかって?
俺もアイツの大ファンだからだよ。
…と、いう冗談は置いといて……
基山ヒロト、ヒロトは俺の幼なじみであり、俺の”コイビト“なのだから……




俺とヒロトは幼なじみだった。
二人共男だったけど、何故かいつの間にか恋に発展しており、今、この状況。
俺達が付き合い出したのは14歳の頃。
しかも今、同棲していて歳は19だ。


ヒロトが芸能界に入った理由はスカウトでだ。
ヒロトは今までにあの容姿な訳だから数回、芸能事務所の方にモデルとして誘われていた。…だけどヒロトはモデルとしてなるのを断固として拒否していた。理由はあんまりよくわからないけど…。
そしてヒロトが16歳になったばかりのとき、芸能界に入ってきた。
TVからは期待の新星として取り上げられ、TV出演の依頼は勿論のこと。アイドルグループやモデルそして俳優等の誘いが大量にやってきた。
ヒロトは最初は断っていたが、今までは俳優として人気者になっている。



いつもいつも思う。

バラエティー番組とかに出演してるとき、熱烈なヒロトファンが、観客として出ていると、カッコイイ! とかの声が上がってるのがムカついてしょうがない。確かにすごくかっこいいけどさ………。


ヒロトの恋人は俺なのに……

っていつも醜い感情を出してしまう自分に自己嫌悪しまう。
嫉妬してる、なんてわかりたくもないのにわかってしまうんだ。





ついつい盛大な溜息が醜くい感情と共に、はぁ、 とでてしまった。


「なに溜息ついてんの、俺のお姫様は。」

「うわああああ?!!…ひ、ヒロトっ?!!!」

いつの間にか、ヒロトが俺の隣に居てかなり驚いてしまった


「驚きすぎだよ。…ああ、もしかしてTV見ててヤキモチ妬いちゃった?」

「…っ!!」


意図を突かれてしまった。
ああ、なんでヒロトは昔からこんなにも勘が鋭いのだろうか……。


「っ、あはははは!!…あー、ほんとに可愛いな、リュウジは。」

「し、仕方ないだろっ…!!
ヒロトと一週間あえなかったんだから…」

実は、ヒロトは海外ロケで1週間日本を離れていた。ヒロトに会えない一日一日が淋しくてしょうがなかった。

「ごめんね?…でも、今回のおかげで休みが一週間分できたんた」

「へ…?」

「だから、1週間楽しもうか。」

「…ほ、ほんとうっ!?」

驚きと嬉しさでいっぱいになる。
ヒロトと一日を過ごせるなんて何週間ぶりだろうか。…今まで、ヒロトの仕事が忙しくて一日を過ごすのもままならなかった。

ヒロトと一緒に過ごせるだけでも、今の俺にとっては堪らなく嬉しかった。



「…ヒロトっ、大好き!!」

嬉しさのあまり抱き着いてしまった。その勢いでソファーの上でヒロトを押し倒すというのか、乗りかかる体制になった。


「随分と可愛らしい事してくれるね…」

「今日だけだよ。」

「…えー、それはそれで寂しいなあ。」


二人で顔を合わせながら笑い合う。

…ヤバい、今きっと笑ってると言うより、にやけてるの方が正しいかもしれない。でも、嬉しくてしょうがない状態のわけだから、もしにやけていても仕方ないよね。
変な顔になってるかもしれないけど。

こんな顔を反対に
俺の思いとしてしっかり受け取って。

……こんなにもヒロトが
大好きだってことを


「だいすきだよ…」

小さな愛の言葉は俺からヒロトへのキスで掻き消された。
〜END〜
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