ここと異世界と繋ぐモノ。
□異世界と門
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プリシアナ学院・校長室。
「……というわけだ」
「なるほど。ルーク君の世界のモンスターが――」
クエスト報告後、俺らは真っ先に校長に事の次第を報告した。
「撃退できたはいいが、あれはルークの世界での剣技がなかったらアウトだな。俺らの剣技じゃ、ギリギリっぽいし」
「なるほど……アユミさんがそこまで言うなら、かなり厄介な状況でしょうね」
俺の言葉に校長が頷くと、途端に室内に沈黙が満ちていく。
ドタドタドタドタ……バンッ!!!
「校長せんせ〜っ!! お話聞きました〜!」
と、そこになだれ込んできたのはシルフィーだった。
さらにドラッケン学園のユリとリンツェもいる。
……おまえら、モーディアル学園の復興に向かったんじゃなかったのか←
「おや、シルフィネスト君。ドラッケン学園のお二人も。どうしました?」
「復興作業のお手伝いが終わりましたのでこちらに来ましたの。こっちでも面白いことになっているみたいですわね♪」
「ゆ、ユリ様……楽しく言わない方が……」
ユリがニコニコと喰えない笑みでルークを見る傍らで、リンツェがオロオロと俺らとユリに交互に顔を向けている。
「……なあ。この二人は?」
自分に向けられている視線に居心地悪そうにしているルークが、ブロッサムに話しかけた。
ブロッサムが耳打ちで説明する。
「エルフの女がユリ。隣の気弱そうなディアボロスはリンツェだ。二人は隣の大陸にあるドラッケン学園って学校の生徒で、俺らの知り合いなんだ」
「うふふ。よろしくお願いしますね。かわいらしい赤毛ヒヨコさん?」
「ヒヨ……ッ!!? ど、どーいう意味だよ!!」
ユリの発言にキレるルーク。
相変わらずイイ性格してやがるな、この女は……。
「ユリ様……やめた方が……」
「あらあら……しかたありませんわね」
「はぅ……あ、あの、ごめんなさい……」
「へっ? あ、いや……」
小さくペコッと頭を下げて謝ったリンツェに、とりあえずルークも冷静さを取り戻したらしい。
リンツェは見た目と(すごく)ギャップがあるからな。
「……で、シルフィー。一体何の騒ぎだ? なんかあったのか?」
軌道修正する俺はシルフィーにたずねた。
いや、もういい加減先に進まないとな。
「あったんだよ〜。飛びきりすごいのに」
「そうか。じゃあ一応聞いとく。……何があった」
非常に嫌な予感しかしないな←
心の準備を軽く整えてから、シルフィーに先を促した。