ここと異世界と繋ぐモノ。
□砂漠の放浪者
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飢乾之土俵
「……相変わらずひっろいね〜」
「広い……初級ダンジョンにしては、面倒?」
「意外と敵も頑丈だしね〜」
熱気上昇中のダンジョンの入口に立って、ライラちゃんと頷き合う。
タカチホ義塾の初級ダンジョンでもある飢乾之土俵。
……の割にはだだっ広いし、敵もびみょ〜に強いんだよね〜。ボクらの敵じゃないけど←
「しょうがねぇだろ……タカチホは環境が最悪なんだから」
「むぅ。これでも『タカチホ緑化計画』は進行中だもん!」
「なんだよ。その計画は……」
後ろではカエデとアイナちゃんがじゃれあってた。
んー……たしかにむかーしむかしよりは良いかもだけどね〜。
「シルフィー……異世界人さん。どこから探すの?」
「ん? んーっと……とりあえず、一番広ーいところからかな?」
クイクイ、とライラちゃんに服を引っ張られて聞かれた。
で、ボクの考えを伝える。
「砂漠に慣れてる人が二人もいるし。一番広いところから探して〜。それから狭い場所を探す!」
「一番広い……ってぇと。義塾(こっち)側だと、東のエリアだな」
「うーん。たしかにあそこが一番広いもんねぇ」
「よ〜し。そうと決まればレッツゴー!」
「ごーっ」
「おーっ♪」
片手を上げて意気込んで、それからボクらはザクザクと砂漠を進み始めた。
「…………。やべぇ……ツッコミ、俺一人……」
後ろでがっくりうなだれるカエデの、何かのつぶやきを聞きながらね☆
――――
とりあえず広いところを探してみるため、隣のエリアへ。
「…………」
「? シルフィー君?」
……で。途中で気づいた。というか、反応しちゃった←
「……変な魔力がする」
「は?」
ボクの言葉に、カエデが目を丸くさせた。
ボクは空を見ながら、砂漠に吹く風……の中にある魔力を感じ取る。
「何と言うか、感じからして、風属性の魔力なんだけど〜……魔力の質? みたいなのが変なの」
「……シルフィーの話……時々、難しい?」
「質が?」
「……えーっと……。悪い。わかんない」
首を傾げるライラちゃんとアイナちゃん。頭を抱えて唸るカエデ。
……あれ? 難しすぎた?←
「つまりね。風の魔力だ、ってのは感じてわかるんだけど〜……この世界から感じる、ボクの知る魔力とは違うってことなの〜」
「この世界の魔力……」