ここと異世界と繋ぐモノ。
□炎の谷の来訪者
2ページ/5ページ
私はよく知ってる。危ないところや通れるところ。
シルフィーやみんなと一緒に冒険したから。
「この道、慣れてるから。……一人より、二人?」
アスベルの服を摘みながら言う。
一緒なら、不安も消えるよ。
「けど……いいのか? 俺の事情に首突っ込んで……」
「うん。だってアイナ、来ないんだもん」
「へっ?」
あ。また目を丸くした。
……今度は、説明不足?
「行きながら話す。ソフィさん、先行っちゃうかも」
「あ、ああ。そうだな……よろしく頼むよ」
「うん」
アスベルにお願いされた。
とりあえず、お話しながらタカチホ義塾に行こう。
――――
「……じゃあライラは、その冒険者養成学校って言うところの生徒なのか」
「うん。みんなと勉強したりしてるの」
「そうか。偉いな、ライラ」
アスベルとお話しながら炎熱櫓を進んでいる。
お話したら、アスベルも緊張が少し取れたかも。……私がソフィって子に似てるのも原因?
「……それにしても、冒険者、か……。本の話なんかで、冒険者が主人公ってのはあるけど、それを学ぶ世界だなんて……“エフィネア”では考えられない話だな」
「そうなんだ」
アスベルの話に相槌を打つ。
(エフィネア……。ルークとは、違う世界?)
ぼんやり考える。
……アスベルもルークと同じ、違う世界の人だった。
ただアスベルは、エフィネアって言う世界の人で、ルークのオールドラントって世界の人じゃない。
……世界、実はいっぱい?←
「アスベル、剣を持ってるけど……アスベルも戦うの?」
「ああ。俺は騎士学校に入ってて、そこで勉強してたんだ。今は、いろいろ辞めちゃったけど……」
「騎士……ナイト? 守る人?」
「まあ……間違ってはいない、かな?」
ナイトだったんだ←
……アスベルに似合うかも。
なんだがわからないけど←
「私にもナイトのお友達いるよ。弱気でネガティブなディアボロス」
「そうなんだ……ん? ディアボロス?」
「冥界の血を引く種族。えっと……わかりやすい言い方すれば、悪魔?」
「悪……ッ!!? そ、そうなんだ……あはははは……」
何故かアスベルが苦笑いを浮かべている。
……ディアボロス、悪い種族じゃないよ?←
「……あ」
「? ライラ、どうした?」
瞬間、私の耳に音が入ってきた。