ここと異世界と繋ぐモノ。

□炎の谷の来訪者
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 金属音、爆発音、打撃音。モンスターの咆哮。
 戦いの、音。

「モンスターと、戦ってる」

「なんだって!?」

「すぐ近く。……あ」

 瞬間、耳に入る、聞き覚えある声。

「アイナの声……それと、咆哮?」

「どっちにしても見捨てておけない! ライラ、位置はわかるか!?」

「うん」

「よし! 行こう!」

 アスベルが力強く頷く。
 アイナがいるなら私も行く。
 アスベルと一緒に、私も走り出した。

 ――――

「……いた」

「ホントか! ……! あれは……!」

 駆け出して、アイナを見つけた。
 それと、見慣れない黒い鳥みたいな魔物が三匹。それと紫の髪の女の子。

「ソフィ!!」

「……あの子が」

 ……似てる、のかな?
 髪型はたしかに似てるけど、あの子の方が長いし。

「……! 暴星モンスターも……今行くぞ、ソフィ!」

「あ」

 アスベル、行っちゃった。
 ……暴星モンスターって、何?

「ソフィーーーッ!!!」

「……! アスベル!!」

「え? あの人がアスベルさんなの? ソフィちゃん」

 アイナの結界の中で、ソフィとアイナがアスベルを見ながら話してる。

「散れ! 雷斬衝!」

「え」

 え……剣から雷が落ちた?
 それがモンスターに当たって、ガラスが砕けるような音がした。

「魔王炎撃破!」

「ギシャアーーーッ!!!」

 あ。効いてる。
 アスベルって強いんだ←

「はあ……はあ……ソフィ、大丈夫か?」

「大丈夫だよ、アスベル。アスベルも大丈夫?」

「ああ、俺も大丈「危ない!!」えっ……」

 モンスターが起き上がった。
 大口を開けて、アスベルとアイナを食べようと迫った。

「やぁああああッ!!!」

「はぁああああッ!!!」

 ソフィがアスベルの背後を、私がアイナの背後にいる敵を殴り倒した。
 完全に倒したのか、ピクリとも動かなくなる。

「倒した……」

「トドメを刺さなきゃ……死んだら、手遅れ?」

「す、すみません……」

 ソフィと私に立て続けに言われたからか、アスベルがしょげた。
 ……きつかった?

「二人とも、その辺で。えっと、アスベルさん。大丈夫ですか?」

「あ、はい。ありがとうございま――」

 アスベルがアイナの手を引いて、立ち上がろうとした、瞬間。

「ギシャア……ッ!!!」

「!!」

 足元には魔法陣。モンスターの足元からも光が溢れてる。
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