ここと異世界と繋ぐモノ。

□炎の谷の来訪者
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「魔法!?」

「しまっ……!」

 防御も、回避も間に合わない……絶対、絶命っ?

「……失せろ!!」

 ズドォーンッ!!!

「……え?」

 何……? モンスターが、真っ二つ?

「ふぅ……危なかったあ……」

 土煙からシルエットが現れた。
 あ、ネコミミ。……フェルパーなんだ。
 肩に斧を掛けてる……戦士学科の人?

「おい、アイナ。大丈夫か?」

「あ……カエデ」

 来たのは、斧を片手に持つタカチホ義塾のフェルパー。
 明るめの黒髪にちょっともさーってした髪。少し呆れたっぽい表情が、何と無くブロッサムと似てる気がする。

「おまえな……頼むから一人で暴走するなよ。俺が来なかったらやばかっただろうが」

「……だって、ソフィちゃんとアスベルさんを早く会わせたかったんだもん……」

「それはべつにいいんだけど。だからって一人で行くなって言いたいんだよ。何かあったらどうするんだよ」

「む、む〜……」

 アイナは言い返せないから、唇を尖らせてる。
 ……負けず嫌い?

「待って。カエデ」

「ソフィ?」

 ソフィがアイナの前に出た。
 ……何事?

「アイナ、私を守ってくれたよ? 怒らないで」

「う……そ、それはわかってるけど……」

「……喧嘩、しない?」

「これは、喧嘩じゃ……いや、わかった! 喧嘩しない! しないから拳下げて!」

 拳を構えたソフィにカエデが冷や汗をかいた。
 ……カエデ、ソフィに弱い?

「よかった……喧嘩、ダメだよ? ね? アスベル」

「え? あ、ああ。そうだな」

 アスベルも苦笑い。
 ……ソフィって強いんだ。特に、メンタル?←

「アハハ……あ、ライラちゃん、大丈夫だった?」

「アイナ……」

 ニコッと笑ったアイナに、頬を膨らませて一言。

「……約束の時間、大幅に過ぎてる。ちゃんと待ってたのに……」

「あ……! ご、ごめんね! カエデが間違えて、ソフィちゃん連れて来ちゃって。私たち急いできたんだけど」

「ちょおぉおおおッ!!!? アイナ、そこで俺に責任転嫁する気か!?」

 間髪入れず、カエデがツッコミを入れた。
 ……カエデも、ツッコミ系?

「私、ちゃんと特徴言ったもん! なのにカエデが間違えてソフィちゃんを連れてくるから!」

「『無口で紫色のツインテールの女の子』しか聞いてねーんだからしょうがないだろ!」

「制服着てるか着てないで判別してよ!!」

「無茶苦茶だな、おい!!」

 ……喧嘩勃発中← ……仲、悪いの?
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