ここと異世界と繋ぐモノ。
□砂漠の放浪者
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ライラちゃんがキョトンと首を傾げる。
その横でアイナちゃんが「あ」と頷いた。
「それはつまり、“違う世界の魔力”がここにあるってことなんだねっ!」
「イエスッ」
「違う世界……」
その言葉で、「あ」のつぶやきが横から二つ。
「異世界の魔力か!」
「おおっ……納得?」
「うん。多分……このダンジョンのどこかにあると思う。近くに行けば、もっとわかるはずだよ」
「なるほど……よっしゃ! やる気出てきたあ!」
「うんっ。頑張ろうね♪」
すごくやる気になったタカチホ義塾の二人。
それを見て、でもボクにはまだ一つ、言ってないことがある。
(この魔力……悪意のような何かを感じるんだよね〜……)
例えるなら巣を攻撃された動物やモンスターみたいな感じ。
それが魔力と一緒にひしひしと感じ取れちゃうんだよね〜。
(こっちを狙ってる気配は無いっぽいけど……)
……用心はした方がいいかもね〜。
ニコニコといつもの笑顔を張っ付けながら、再び砂漠を歩いていくのだった。
――――
「……ダメだな。いない」
「いない……このエリアは、ハズレ?」
「に、なるね〜」
探索を開始して30分後。
今いるエリアには見つからなかった。
ってことは……ここはハズレってことだよね〜。
「いないなら別のエリアに行こうよ。シルフィー君。次はどこ?」
「オアシスのエリアかな〜。義塾の方はサルタ校長に連絡入れてあるから、見つかったら連絡くれるだろうし」
万が一入れ違いになったら大変だし。
だからサルタ校長(あとゲシュタルト校長にも)にはセントウレア校長先生から連絡してもらったんだよね〜。
「なるほど……じゃあ大丈夫か」
「うん。だから、ボクらは捜すことに専念しちゃおっか」
近づけば、違う魔力を感じ取ってボクもある程度場所がわかるし。
義塾に連絡係さんたちがいるなら、行動は考えないとね←
「そうと決まれば……」
隣のエリアへレッツゴー!
と、意気揚々に一歩踏み出した時だった。
ビュオ――ッ!
「きゃっ!?」
「うわっ!」
「ふぇ……っ?」
突然、強い突風がボクらを襲った。
一瞬だったしすぐに通り過ぎたけど、思わず立ち止まってしまう。
「すごい……超突風?」
「だな……あー、びっくりした……」
「あんなの初めてだよぉ……」
三人も立ち止まって、突風の過ぎた方向を見る。