ここと異世界と繋ぐモノ。
□砂漠の放浪者
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……ちょうど、オアシスの方向に。
「…………」
……うん。なんだか嫌な予感がする。
アユミちゃんが言ってたように、向こうで戦闘フラグが発ってるかも←
「ライラちゃん」
「……? なに?」
隣のライラちゃんに、コソッと耳打ちする。
「――いつでも攻撃できるよう、心構えと体術の準備をしといてね」
「準備……何か、ある?」
「多分。確実に気張るのボクらだから」
「確実に気張る……これも、定め?」
「そういうことっ。だからよろしくね」
「うん」
スポンジ並に吸収率の高いライラちゃんはすぐに頷いた。
よし。これでとりあえずOKかな。
「じゃあこれで、隣のオアシスへしゅっぱーつ!」
「え? もう!?」
「おー」
「はーいっ」
「早ッ! ちょ……待ってくれって!」
すぐにノッてくれたライラちゃんとアイナちゃん。二人にツッコミを入れながら慌てて追いかけるカエデを後ろに、オアシスへと向かった。
本とカードを構えてね←
――――
飢乾之土俵・オアシス
突風を追いかけるように、ボクたちは次の目的地・中央オアシスへやってきた。
「特に変わったところは無いな」
「人影さんも全然見当たらないしね〜」
オアシス・砂漠の両方を見ながら回るけど、やっぱり見つからない。
(けど……何かいるな〜……)
キョロキョロと見回しながら、何かを探す。
さっきと違って、さっきの風の魔力が強い。そして同時に、感じる悪意も強まった。
なのに姿が見えない。……すごーくストレス溜まっちゃうね。こういうの。
「どこかな〜……」
近くはないけど遠くもない。だからこのオアシスにいるはずなんだけど……。
そう思いながら、気配と魔力を探り続けた時だった。
「危ない!!」
「……!」
不意にどこからか聞こえた叫び声。
それに反射的に後ろへ飛びのいた。
「オオオォォォッ!!!」
「シルフィー!?」
飛びのいた瞬間、ボクのいた場所に何かが爪を振り下ろした。
……砂漠の砂に深い溝が出来上がっちゃった。避けなかったらやばかった←
「シルフィー!?」
「シルフィー君、大丈夫?」
「うん。平気……」
慌ててすっ飛んできたカエデとアイナちゃんに笑みを浮かべながら、前に視線を向ける。
「風の魔力……悪意……あー、コレからかあ……」
目の前の生物に苦笑いを浮かべて、小さくため息をついた。