ここと異世界と繋ぐモノ。
□砂漠の放浪者
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目の前にいるのは、見たことないモンスター。蝙蝠みたいな羽に大きな爪を持つ両手。足が無い代わりにふよふよ浮かんでいて、精霊系モンスターにも見える。
「シルフィー……コレが、戦闘フラグ?」
「うん。間違いないね〜」
「フラグ成立……私たちの、悲しい宿命?」
「うん。そうだよ〜」
「いやいやいや!! 呑気に言ってる場合じゃないだろ!?」
ボクとライラちゃんが頷き合ってると、カエデが斧を構えながらツッコミを入れてきた。
ボクらのノリにまだ慣れてないっぽいね〜←
「どうするんだよ……こんなヤツ倒せるのかよ?」
「んー……」
たしかに、今までのモンスターとどこか違うっぽいしね〜。
ただの敵じゃないし……。
「……どうしよっかな〜」
どう料理しようかな〜←
完全に撃退モードONにして、こちらを睨みつけてくる相手を笑顔で返しながら考えていた。
「「魔神剣!!」」
と、ここで真横から二つの衝撃波が相手を襲った。
完全に油断してたか、相手はまともに受けちゃったよ。
「ふえ?」
「……何事?」
「うん。何と無く読めたけど」
吹っ飛んで倒れたモンスターを横目にしつつ、衝撃波が飛んできた方向へ目を向ける。
「よっし! 当たった!」
「うん。でも、まだ油断はできないよ!」
オアシスの植物たちから二つの声。
がさがさと音を立てて、声の主が顔を出した。
「おい、大丈夫か?」
「わ、わ……ちょっと待って!」
がさがさと現れたのは二人。
茶髪に赤い服を来た元気そうな男の子。それと歳の変わらなさそうな金髪に紺色の服を来た気弱そうな男の子。
……ブロッサムとたいして歳は変わらないかも〜。
「大丈夫大丈夫〜。助けてくれてありがとうね〜」
「おう!」
にこにこ笑いかければ、同じく笑って返してくれた。
うん、やっぱり元気系なお兄さんだね←
「おーい。和やかに話してるところ悪いんだが……」
「ロイド。まだ、ツァドクを倒してないよ」
「へ? あ、そうだった」
ここでボクらは再びモンスターへ向き直った。
あれ、ツァドクって名前なんだ〜……。
「……ってことは。やっぱり、このお兄さんたちの世界のモンスターってことだよね〜」
「この人たちの……異世界のモンスター?」
「え?」
ボクらのつぶやきに、金髪君がキョトンとなった。
まあ……そんな反応にもなるかな〜←