青の祓魔師
□待ってて。会いにいくから。
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「なぁ…」
兄と僕しかいない静かな部屋に、兄はベッドに腰かけていて見ると少し、寂しそうな顔をして言った。
「なに?」
僕が返事をすると兄は立ち上がり僕を抱きしめ、今にも泣きそうな声で答えた。
「俺は悪魔で、皆やお前は人間で…生きる時間は違うんだよな…」
ああ、彼の言いたいことが分かった。
つまり……
「俺より先に雪男たちは死んでしまう。だから、俺は…」
最後には、一人になっちまう
僕は兄の背中に手を伸ばし、抱きしめる。
「大丈夫。僕たちは兄さんをおいていってしまうけど、その分、生きてる間ずっと愛してあげる」
「ほんとか?」
「うん。それに輪廻転生ってのがあるんだ。生まれ変わりというのもあるしね。たとえ僕たちが死んでもまた戻ってこれる。けど前世の記憶はないかもしれない。兄さんとまた会えるかもわからない」
「じゃあだめじゃん」
「けど僕は戻ってくる。絶対兄さんのところに戻ってくる。それまで…」
待っててくれる?
僕の問いに兄さんは笑顔で「ああ」って答えてくれた。
待ってて。会いにいくから。
END