青の祓魔師
□貴方が必要。
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『苛々』
最近、兄さんに避けられている。
朝一緒に登校しようといったら先に行くからと言って断られるしお昼誘おうとしたらどこにもいないし僕を見るたび逃げるように去っていくし、
いったい僕が何したっていうんだ。
夜聞いてみたけど「なんでもない」って言われた。
兄さんは、何かを隠している。
それは僕に関することで、僕に言えないこと。
苛々する。
そんな僕に群がってくる女子たち。
今は学校の昼休みで弁当を食べている僕に女子たちが集まるのはいつもの事。
いつも思うが一人にしてほしい。
そんな中、僕の耳に女子たちの声が聞こえてくる。
「そういや雪男君のお兄さんほんとにあの約束守ってるんだ」
「案外いい人?あの時だって素直に聞いてくれたし。けど雪男君に釣り合わないってのは変わらないね」
「ほんとほんと」
あの約束?あの時?こいつらは兄さんになにか言ったのか?
僕は震える手を必死になおそうとする。
だが、次の言葉で、それは無駄になる。
「雪男君には、私たちがいればあとはいらないんじゃない?」
「あんなお兄さん、雪男君にとってもお荷物でしょ?ねぇ、ゆき…」
ボキッ
僕は箸を折った。
なにがいらないだ。なにがお荷物だ。
お前らにそれを決める権限なんてない。
僕の苛々は、ついに頂点まで達した。
それに感づいておびえる彼女たちに僕は笑顔で、
「その話、詳しく話してもらえますか?」
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