BOOK

□月
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あたしは何でここにいるんだろう?



「ミラさぁ〜ん、助けてくださいよぉ〜。もう家賃がぁ・・・」

「あらあら、困ったわねルーシィ。」

今日は、最強メンバーのみんなもいないし、いい依頼もない。

せめて、あの漆黒の髪さえ見れれば・・・

「とりあえず、今日は休んだら?明日にはみんな戻ってくるし、依頼だって新しいのも入ってくるんじゃない?」

「ハァ・・・。そうですね。」

しかたなくあたしは家に帰ることにした。

グレイに会いたいな〜。なんて考えながらまた溜め息をひとつ。

あたしになんてなにもできないのかなぁ・・。

『邪魔だといってるのが分からないのか、ルーシィ!!!』

ビクッ!

へんなこと思い出しちゃったよ・・・

「プルーでも呼ぼうかな〜」

 ―――――― 

でも・・・、星霊のみんなってあたしのことどう思ってるんだろう?

魔力だって少ないし、みんなに迷惑かけてばっかりだし・・・。

ギルドのみんなも、ファントムのことっだってやっぱりあたしのせいだし・・・。



キラッ

「ロキ!!」

「王子様登場〜」

ホント、こいつってタイミング良いんだか悪いんだか・・・。

「どうしたの?ルーシィ。君にそんな暗い顔は似合わないよ?」

「・・・・。」

「言いたくないなら聞かないけど。」

「ごめん。」

「分かった。でも僕から一言言わせてもらうよ?」

「えっ?」

「僕たち星霊は、いつだってルーシィ、君のことが大好きで大切に思ってるんだよ」

ポンッ

「あっ、ロキ!!」


ちょっとカッコいいじゃない・・・。

「・・・大好き・・・か・・・」


あたしって要らない存在じゃないのかな・・・?
「もう9時か〜。お風呂はいろっかなぁ〜」

「よぅ!」

「グレイ!?・・てか服ー!!!!」

「ぅおっ!!」

何で脱ぐかなァ〜(汗

「・・・?何かあったのか・・・・?」

「へ??てかそっちっこそクエスト明日までかかるって・・・。」

「あぁ、早く終わった」

へぇ〜何て感心しながらグレイのほうを見てみた


「・・・で?何があったんだ、ルーシィ?」

そんな真剣な目で見ないでよ・・・

「ちょっと外出ない?」





夜の空気が私の心を落ち着かせる・・・。

闇の中には無数の星と月


「悩み・・・って訳じゃないんだけどさ」

「・・・。」

「あたし、今日1日いろいろ考えてたの。あたしの存在って何なんだろうって。」

「・・・。」

「みんなに迷惑ばかりかけてる気がして・・・」



「ルーシィは俺にとってどんな存在だと思う?」

今まで黙っていたグレイが話した言葉は意外なものだった。
いつもと違う優しいグレイ・・・。

「ギルドの新人、星霊魔導師?」

「そうだな・・・。他には?」


――― 少し気がある?

ダメダメ、そんなこと言えるわけないじゃない!!!
・・・そうなら嬉しいけど。

「要はさ、どう思われてるかじゃなくてどうなりたいか、なんじゃねぇか?」

「あたしは…!」

「なんか気づいたか。」

「うん。あたしは星霊魔導師としてギルドの一員として誇りを持ちたい!そして、このお月様みたいに、みんなから光をもらってそしてみんなを照らしたい!!!」


「星に囲まれた月、星霊魔導師のお前らしいな」

「/////」




漆黒のグレイのなかで光るあたしになりたいなぁ
そんなことも思いながら・・・。


いつか伝えたいなこの想い・・・



空で星霊たちが微笑んだ気がした。
 

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