BOOK

□母
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777年○月×日

あの日泣いていた少女は今・・・



魔導師ギルド【妖精の尻尾】にいた・・・・。


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794年

ルーシィ・ハートフィリア、17歳。

元気な星霊魔導士になりました。


仲間ともすっかり仲良くなり、人としても、魔導士としても成長しています。


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ママへ

もう、書くことはないと思ってたけど、報告しなきゃいけないことがあるの。

あたしね、同じギルドのグレイと付き合うことになったんだ!

すごく大切にしてくれるのよ。

あたしはグレイのこと大好きなの!

ママ、見守っててね


ルーシィより

P.S.
後で連れて行くから待っててね。






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ここはギルドのカウンター。いつの間にかあたしの特等席になった。

「ルーシィ、明日みんなでショッピングに行くんだけど、ルーシィももちろん行くわよね?」


「あ、えぇっと・・・。ミラさん、あたし明日は用事があって・・・。」


そう、明日は・・・・


「何?グレイとデートにでも行くの?」


明日は・・・


「いえ、明日はお母さんの命日なんで、お墓参りに行こうと思ってて。」


「ごめんなさい、ルーシィ」

「いいえ!ミラさんはぜんっぜん悪くないですよ(ニコッ」

「分かったわ。じゃあ、明日はお休みね」

こういう気遣いに、あたしはいつも助けられる

「はい。ミラさん、また誘ってくださいね!」

「もちろんよ!」

「それじゃ、あたし帰りますね!」


「気を付けるのよ〜」




―――――

「ミラちゃん、ルーシィと何話してたんだ?」

「明日の事よ、グレイ。」

「明日?何かあんのか?」

(ルーシィ、グレイにも言ってなかったのね・・・。それほどつらい記憶ってことね・・・・。)

「グレイに言ってないこと私が言っちゃっていいのかしら・・・」

「何だよ、もったえぶんないでくれよ」

「えっとね、明日ルーシィのお母さんの命日だから、お墓参りに行くんですって・・。」



こんなこと言って、後でルーシィに怒られないかしら・・・。



「マジかよ!オレ明日、ジュビアと仕事の予定入れちまったよ・・・・」

「どうするの?グレイ・・・。」

「約束すっぽかす訳にもいかなえしな・・・」


ほんと、グレイは真面目ね。


「とにかく、どうにかして明日はルーシィと行くよ」

「頑張ってね、グレイ。」



きっと、ルーシィだってグレイに来てもらいたいはずよね・・・・。
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