BOOK

□荒
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『明日は台風で天気は大荒れの模様です。』


どこを見ても台風のニュースで嫌になる。

それだけじゃない。


明日はグレイと出かける予定だった。


「最悪よ、もう・・・。」




午前中、ギルドに行ったら・・・


―――――

「明日は台風が来るらしいわよ」

「そうなんですか!?ミラさん。」


いつもと同じ、ギルドのカウンター


「それじゃあ、明日は・・・」

「延期だな。」


後ろに立っていたグレイから発せられた言葉。

正直、すごくショック


だけど、グレイも楽しみにしてたみたいで残念そう。



「また次の機会に行くとするか・・・」

「うん。」



外で降り始めた雨は、急激に強さを増してきた。


すると隣でミラさんが困ったように一言。

「これじゃ帰るのも大変よね。」


もっともな意見だ。

このバケツをひっくり返したような土砂降りの中帰る無謀な人間がいくらいるか・・・。



「ナツあたりは・・・抵抗なさそうですけど・・・」


「あははは(苦笑」

噂をすれば・・・・

「なあ、おれ達そろそろ帰るわ。」

「あい!」


「ナツ、風に飛ばされるんじゃないぞ?(ニヤッ」

「うっせぇ、タレ目野郎!帰んぞ!ハッピー」

「あいさー!!」


ナツはほんとに台風なんてお構いなしなのね(汗

「気を付けて帰るのよ〜」


「・・・・」

ザアアアアア・・・・・・



「どうしようかなぁ・・・。これじゃ本当に帰れないよ。」


台風が来るなんて今日聞いたから、傘だって持ってきてない。

もちろん傘があって済むような天気じゃないけど・・・・。


「そうだ!ナツには悪いけど、今日ここに残ってる人たちでギルドにお泊りっていうのはどう???」

人差し指をピンッと立てたミラさんが言った


マスターに聞いてこよっと、なんて言いながら、ミラさんは奥の方に行っちゃった


まあ残ってる人って言ってもほんの少しだけど・・・


今、ギルドにいるのは

エルザ、ミラさん、エルフマン、リサーナ、カナ、ビスカ、アルザック、ガジル、グレイにあたし、他数名。




「マスターが許可してくれたわよ〜!」

「うそっ!」

「まじで?!」



「と、いうことで・・・みんなー!今日はギルドに泊まっていいわよー!!!」


そして波乱の一夜が始まるのだった。
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