〜絆〜

□心の中を覗いて…
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胸のことを言われると梓は驚いた表情を浮かべた…

「俺が胸デカイって言ったら謝ったから。何か気になることでもあったんじゃないかなって思ったんだ。」

『嫌いになりませんか?』

「ならないよ…」

今までとは違い、真剣な面持ちで梓は話し始めた…


『…実は、中学生2年生の時から胸が大きくなって、その頃から胸に兄の目線を感じる事があって、お風呂上りに廊下に居たり、知らないうちに部屋に入ってきたり…ある日、寝ている私の部屋に兄がやって来て悪戯された事がありました。兄は胸を揉んできて…下に手が伸びた時、怖くて止めてって抵抗したんです。それでも続けてきて…私たちの様子が気になったのか、1階で寝ていた母親が見に来ました。その時、兄を叱らず、私に変な本ばっかり見るいやらしい娘だから兄を誘惑したんだろう。って…胸ばかり大きくなって、子供のくせに男に媚びてって…』

「ほう…そりゃヘビーな話だな。」

『正直、辛かったです。何処にも居場所が無くなった瞬間でした。それまでは自分が悪いからお母さんに叱られても仕方ない。叩くのは私が悪いことをしたからだし、愛されているからと思っていました…でも、兄は怒られないで、私だけ…それ以来、優しかった兄も冷たくなって…家族もバラバラに…最近もお母さんに、貴女が居なければと言われました…今でも成長が遅かったら兄も私に悪戯しなかったのかもとか考えます。そう思うと母に言われた胸ばかり大きくなって男に媚びてって言葉は今でも耳に残っています。』

梓は、気丈にそして出来るだけ明るく俺に話した…

「そうか…普通なら抱きしめて胸で泣かせてやりたいけどな…俺の性格上…出来ないや…」

『大丈夫です。こんな事を人に話すのは始めてでしたけど…すっきりしました。こんな重い子、嫌でしたよね…ごめんなさい。嫌いになったら言ってください。助清様の事諦めますから…』

「勘違いしなくて良いよ。梓に同情して優しくするつもりは無いって意味だから…俺の事しか考えられないくらい梓の心を侵食してやるよ…」

そう、梓に言い頭を撫でながら、壁に立つように指示を出した…

梓を壁に立たせ、その体を指先で愛撫する…

『あっ…』

体がぴっくっと反応し、全身に力が入るのが分かる。
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