暗闇の中で…(上)
□【リアルと幻想】
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少女の言った言葉も、そしてこの状況も俺はまったく意味が分からなかった。
しばらく無言でいると、やがて少女は不可解な事を言い出した。
『私は…この世界でしか生きられない…必要とされて初めて続く命…』
「は?君は何を言っているんだ?入院していて頭おかしくなったのか?この世界って?病院のことか?」
『違うの…ここは幻想の世界だから…』
「幻想の世界…何を言ってるんだ?小説やアニメの見すぎじゃないのか?大人をからかうんじゃないよ!」
『本当なの、貴方はここの主だから…やっと見つけたから…』
「あ?俺がここの主?馬鹿か君は?こんな部屋、初めて来たし、君と会話するのも初めてだよねえ?」
俺は少しイラついた。
話も噛み合わず、訳の分からない事を言っている少女に腹を 立てていた…
『ここは…リアルと幻想の間の世界…貴方は、この世界の主様………』
少女の表情は虚ろで、俺を見ているが、ちゃんと焦点が合っていない感じがした…
その表情を見て、…きっと頭がオカシイ子なんだ…仕方ない、こんな異様な空間に押し込まれ、おそらく医師や誰かに性的暴行でも受けていたんだろう。
もちろん、彼女はそんな事も知らずに…そう思い、少しだけ可哀想とも思った…
ただ、同時に俺の心の中に鬼畜のような考えか浮かんだ。
こんな幼い少女とする機会なんて無いし、幸い頭がイッテル…大丈夫…誰にも言いつける事なんて出来やしない…しかもこんな真夜中なら誰も来ないだろう…
こんな部屋に入院させている病院なら…万が一バレても公表されやしない。
俺は覚悟を決め、少女に、優しく答えてみた…