暗闇の中で…(上)
□【中庭の再開】
1ページ/5ページ
時計の針は 午後3時を過ぎ、喫煙所で一服し、医院内の売店でスポーツ新聞と菓子パンと牛乳を購入し、いったん病室に戻る。
夕食までの退屈な時間をもて余しながら、ベッドの上であぐらをかき、パンをかじりながら新聞に目を通している。
ふと窓の外の中庭を見る…
…ん?あれ? 愛だ………
昨日と同じように車椅子に乗り、看護婦さんに押され、中庭を散策しているようだった。
俺は昨夜の事が気になり、もう一度会うために病室を飛び出した…
中庭につくと、昨日より少しだけ風がある事が影響しているのだろう。人の数も少なく感じる。
「こんにちは…」
俺はなるべく警戒されないように看護婦さんに声をかけた…