ぷらいど
□【恐怖】
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あれは、僕が一人旅で、とある旅館に泊まった時のことです。
なかなか宿がなくて、やっと空いていた旅館で、通された部屋の窓からはお墓が見えました。
その時は漠然となんか気持ち悪い部屋だな…って思ってたんです。
所が、料理も、お風呂も良かったんで、すっかりと忘れていました。でもね…部屋が、なんか臭いんです。
何か具体的に匂いがする訳ではないんですが…
血生臭いっていうか? なんか居るな…って感じがするんです。
まあ、気にしないようにお酒でも飲んで、寝てしまおうって思いまして…
いつの間にか意識が遠のいてしまったんです…
深夜2時頃でしょうか?ふと喉が渇き、急に目が覚めたんです…
普段夜中に目覚めると、頭が働くまで、ボーっとしてしまうのですが、何故かその時は、スッキリと目覚めました…
変だな?おかしいな? そう思っていたんですが、とりあえずお乾いた喉を潤したく茶を飲もうとして体を起し、まだ湯飲みに残っていたお茶を飲み干した時です。
はじめは分かりませんでしたが、何か「サク…サク…」って部屋の外から足音のような音が聞こえてきたんです。
え??何??こんな夜中に…
「サク…サク…サク…サクサクサク…」その音は次第に大きくなってきたんです。
興味本位でしょうか…僕はその音の鳴る方へ向かって行きました…
ある部屋の中からその音は聞こえて来て、僕がその部屋の前に立ち止まったときに、その音は鳴り止みました…
すると、部屋のドアがゆっくりと開き、大きな男性が…
手には包丁を…