〜絆〜
□変わらない日々
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毎日の生活の中で、時間だけが過ぎていく感覚って誰にでもあるかもしれない。
毎日、同じ時間に起き、同じ時間に家を出る。
同じ電車に乗り、同じ業務に就く。
同じ時間に仕事を終え、同じ時間に帰宅する。
帰宅途中で買ったコンビニの弁当を食いながら、テレビのチャンネルを回してその日のニュースやスポーツの結果を確認する。
風呂に入り、寝るまでの間だけ少しだけパソコンを立ち上げ、現実を逃避するように、画面の中に取り込まれていく…
時計の針が午前0時を越える前に布団にもぐりこむと、今日という一日がなんの変化もなく過ぎていたことだけは理解できる…
時々、そんな日々の中で自分だけが取り残されているのでは? と不安と戸惑いの中ただただ、流れに乗り遅れないようにするだけ…
ふと、都会の雑踏の中で大声をあげ叫びたくなったり、仕事もなにも捨てて、どこか遠くに逃げたくなったり…
もちろん、そんなことが出来る性格なら逆に毎日を不安に感じることなんてない訳で、こんなにも後ろ向きの自分に嫌になる。
きっと、同じ事を考えている人は多いんだろうな…なんて、自分を安心させるように言い聞かす。
日本人なんて人種は人と違った行動を嫌い、群集心理で動いている。個性や少数派を排除したがるものだろう。
俺自身も同じで、人の顔色を伺い…
流行りものに飛びつき、自分の考えよりも、周りの評価や意見を参考にする。
そんな、生きている事に刺激もない生活の中で…
たった一つ人とは違う【顔】を持っている。
そう、人とは違う裏の顔を…