暗闇の中で…(下)
□【愛の響き】
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時計の針が深夜12時を過ぎると空気が一瞬変わった気がした…
それはまるで時間が止まったような感覚で、肌に触れる空気すら止まったように感じた…
「なんだこの感覚…今までに無かったな…」
愛に会う気では居たが、少しだけ躊躇っていた…
ベッドを後に、通い慣れた部屋に向かう…
途中でナースステーションを横切り、一瞬中を伺ったが、そこには誰も居なかった…
誰にも出会う事も無く、愛の部屋の扉の前に立つ…
凍りついた空気の中…俺の心臓の鼓動だけが聞こえていた…
「…何をビビってんだ俺は…」
自分の心を奮い立たせ、ドアノブに手をかけた…