〜絆〜

□始まり
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「ずいぶんと興味あるんだね…」

『…始めてなんです。ラブホテル…』

「へえ、たしか経験って前の彼氏だけだっけ?」

『はい』

「そっか、前は彼氏の部屋?」

『そうですね。一人暮らしだったから…』

「思い出しちゃったかい? 嫌なこと聞いたかな?」

『大丈夫です。 なんか、始めはショックでしたし泣いてばっかりだった…でも、今は平気です。』

「そっか、あ、そこの冷蔵庫から飲みたい物勝手に取って飲みな…おれはホットコーヒー飲むからさ…」

『あ…お湯沸かすならやります。』

TVの横に備えている小さなポットを抱え、洗面所に消える。
抱きかかえるように戻ってくると、俺に話しかけてきた。

その表情は嬉しそうにも感じる。

『沸くまで少し待っていて下さいね。』

「ああ、そうだ、小豆って名前何ていうの? 」

『あ…梓…あずさって言います。 友達からアズって呼ばれていて、HNも本当はこまめじゃなく小豆(アズキ)だったんです。 いつの間にか皆こまめって呼ぶから…』

「そうなんだ…なら俺そのまま【梓】って呼ぼうかな…サイトの皆や友達とも違う呼び名で…」

『え?呼び捨ては嬉しいです。…助清さんは何で助清さんなんですか?』

「助平な清で助清…本名がキヨシだからね。横溝正史の小説に出てくるキャラと一緒でゴロが良いから使ってる。」

『そっか…キヨシ様…助清様…助様…どれがいいですかねぇ…』

「どれでも良いよ」
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