暗闇の中で…(下)
□【悪夢】
2ページ/6ページ
俺の姿は見えないようで…ゆっくりと、ゆっくりと。歩いている…
その様子を俺はずっと見ていた…
声もかけず、ただ見ていた…
やがて、愛は自分の頭を抱え、長い髪を掻き乱しながらその場にうずくまった…
『ううううう……ううあああ…』
その姿は恐怖すら覚えた…
うめき声とただ、もがき苦しんでいる愛はまるで何かに取り付かれた様にも見え、薬が切れた禁断症状のような、異常さが感じられた…
起き上がってはまた倒れ…そして俺を呼び、またもがく…
『主…どこだ…どこに居る…主…お前はどこに居る…』
その声は明らかに今までの声と違っていた…