10000打企画

□三方向から
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※女子強し
















今日、俺はサキを連れて臨也さんのマンションに訪れていた。



「臨也さん元気にしてるかなー」


「サキは会うの久し振りだもんな」


「うんっ」


「心配しなくてもあの人は毎日元気だよ…もうウザいくらいに」


「…正臣ってほんと素直じゃないねー」


「え?」


「んーん、何でもない」




サキが意地の悪そうな微笑みを浮かべ、嬉しそうに鼻歌を歌う。


…ほんとに楽しみなんだな。


何だかこっちまで微笑ましくなって鼻歌混じりに足を進めればドアの真ん前にたどり着いた。



カチャッ



ポケットから出した合鍵で鍵を開け、ドアを開いた。


玄関には二足の靴が置いてあり、多分臨也さんと先に来ていた波江さんの物だろう。



「臨也さんこんにちはー」

「失礼します…」




自分たちの靴を脱ぎ、いつも臨也さんが居るオフィスへと向かう。


向かった、けど。







「「 ………… 」」









オフィスには誰も居なかった。







「あれ?いつも居るのに」

「トイレとかかな?」

「…だとしたら波江さんは何処に行ったんだろう」



俺達が思わぬ事態に困惑していると、寝室の方から声が聞こえてきた。





「なみえ…のどいたい…」

「貴方それしか言わないわね」

「りんごじゅーすがのみたい…」

「はいはい、ったくさっさと紀田くん来ないかしら…」



ガチャン





「「「 あ 」」」













何だこの状況。



















「臨也さんが風邪をひいたぁ!?」




数分後、説明を受けた俺は波江さんにいれて頂いた紅茶をそう言って盛大に吹き出した。





「汚いわね……そう、朝出勤したら倒れていたから流石に驚いたわ」

「そ…それで臨也さんは大丈夫なんですか!?」

「……見ての通りよ」



波江さんは静かに臨也さんを見つめ、俺達の視線がそれに続く。


臨也さんは苦しそうに頬を赤め、吐息を乱していた。


………。



「……とても、苦しそうですね」

「……だな」



一瞬だけ変な気分になった俺を許してくれ、サキ。



「…雇い主がこれじゃあ、今日は仕事どころじゃないわね」

「……そうっすね」

「………きあくん、さきちゃん、なみえ…」

「「「 !!!! 」」」

「俺…あの…」


臨也さんがもぞもぞしながら何か言ってる。


何この可愛い生き物。






「「「……」」」






「……俺りんごジュース用意します。」

「はあ…じゃあ私はお粥作るわ。」

「いっ臨也さん!体拭きます!!」

「「はあ!?」」

「え?」

「いやいやサキ、体は後で俺が拭くよ。臨也さん男だし」

「いいえ、私がやるわ。紀田くんはさっさとりんごジュースくんで来なさい」

「いや最初に私がやるって言ったんですけど?」



……いらっ



「私がやるって言ってるでしょう?」

「いや俺が」

「正臣は黙ってて」



おいおいおいおい何だよこの状況!


大の大人が3人で…



「さきちゃん…からだふいて…」
「「!!」」

「はあい♪臨也さん♪」



耐えかねた臨也さんが布団から這い出てサキを指名した。


嬉しそうなサキに対して俺達は顔をしかめる。


そう


嫉妬、だ。



「臨也さん肌綺麗ですね…」

「へ、そんなことないよ…?」

「そんなことありますっ」

「そうかなあ…?」



オイコラいちゃつくな、オイ!!


「臨也、」



……お?



「波江…さん?」

「お粥、出来たわよ」

「ありがとう…」

「ほら、口開けなさい」

「え?」



波江さんはそう言って身を乗り出した。


片手には勿論お粥。


…………まさか!!



「いいからあーんしなさい」

「あ…あーん…」

「…………」



俺の予想通り、波江さんは自らの吐息で冷ましたお粥を臨也さんの口内へと運ぶ。



「もぐもぐ………おいしぃ」

「当たり前でしょ」



…………


…………





夫婦か!!




熟年カップル並みのラブラブっぷり見せつけてんじゃねーよ!!




「………………〜〜ッ!!」




こうなりゃやけだ




「臨也さんっ!!」

「っ!?きあくん…!?」



布団の上に身を乗り出し、臨也さんの腕を掴む。


ばっちりと、真っ直ぐに目が合った。







「臨也さん知ってますか?キスすると風邪は移」



「紀田?」
「正臣?」


「ごめんなさい!!」





end




遅れてすみませんんん!!


ポッキー様に捧げます!!

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